大宮花伝

畑尾大翔(上)/「WIN☆WIN」なチャリティを企画。選手とサポが交流を楽しみ、医療従事者支援にも【西大宮の巻番外編】

 

サポーターも、医療従事者も、そして、選手も喜び合えるイベントを畑尾大翔が実践中だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響による中断期間を使い、オンラインでサポーターらと選手が触れ合えるイベントを開催。参加選手もクラブの垣根を越えて複数クラブから加わっている。無料で始めたイベントは回を重ねるごとに発展を遂げ、現在は有料化して新型コロナウイルス感染者らの治療にあたる医療従事者へのチャリティイベントへと進化した。
畑尾は早大時代の2012年に慢性肺血栓塞栓症を患い、長期の療養生活を経験したこともあって日ごろから献血啓発活動などを熱心に行ってきた。現在も闘病を続け、医療従事者への感謝の気持ちも大きい。また、大好きなサッカーをなかなか見られないサポーターにとって、画面越しにでも選手と会えるのはこの上ない楽しい機会になる。今季、クラブが掲げるスローガン「WIN☆WIN」にもマッチするイベントについて畑尾に話を聞いた。

 

長期化する中断期間「何かできないか

Q.中断期間中もオンラインを使ってサポーターの方との交流の場を設けてきました。そういった活動をしようと思ったきっかけは。
「まずは(新型)コロナ(ウイルスの感染拡大の影響による)の中断期間が長く続き、僕たちもそうだが、みなさんもストレスがたまる日々を過ごしている。そういったなかで『何か自分たちでできることはないかな』と甲府の2選手(新井涼平選手、橋爪有樹選手)と一緒に取り組みを始めた。最初は僕らとサッカー少年少女の交流の場を設けて、サッカーのことやサッカー以外のことも含めて会話ができたらなって。そこにまず思いがあった。小学校訪問やサッカー教室をやることがあっても、なかなか深いとところまで話をする機会って今までなかった。それが『Jリーガー×サッカー少年少女』をやろうと思ったきっかけ」

Q.新井選手と橋爪選手と相談しながらスタートしたのでしょうか。
「僕が『こういうのをちょっと考えているんだけど、どう思う?』って話をして。2人は否定することなく『いいんじゃない、面白いんじゃない』ってことで。いつも手伝ってくれる2人だし、もともと仲がいいのでお願いしやすかった。2人に声を掛けたのが最初の取っ掛かりです」

Q.サッカーをされているお子さんたちへの思いがあったのですね。
「これはやってみて感じたところだが、子どもたちはすごくピュアだから、サッカー選手の言葉をそのまま素直に受け取ってくれる。サッカーの練習の方法もそうだし、勉強や私生活の部分もそう。親御さんから意見をいただき、親御さんが言うより僕らから言う方が子どもたちに響いて『すごい影響力はありますね』と言ってもらえたりした」

Q.そこから指導者、保護者向けへと広がり、また、大宮のチームメートら“Jリーガー×座談会”を経て、現在は医療従事者支援のチャリティイベント“Jリーガー×チャリティ”に発展していきました。
「元々はここまで広げるつもりはなくて。

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