大宮花伝

【☆無料記事】正智深谷高校サッカー部が“一致団結”へ冬季合宿。OBの新井章太選手の紹介で鈴木大輔選手が熱弁【番外編の巻】

 

現役Jリーガーの言葉に刺激

新年の足音が聞こえるなか、正智深谷高校サッカー部が冬季合宿を熊谷市内の四季の湯ヘリテイジリゾートで実施した。新チームの選手たち89人とマネジャー4人が目標の“全ての大会で優勝”への思いを3泊4日で共有。小島時和監督は「達成へ向けて『どう進んでいこうか』『成長していくには何が必要か』などをみんなで確かめ合うことが狙い」と企画し、スローガンでもある“一致団結”しながら練習やサッカーに関する勉強会などを行った。

合宿の目玉となったのは、J2千葉の元日本代表DF鈴木大輔選手の講演会だ。鈴木選手は今夏からサッカー経験を伝える活動をしており、今回はチームメートで同校OBのGK新井章太選手の紹介で実現した。J2千葉のキャプテンと副キャプテンが揃い踏みし、選手らは現役Jリーガーの体験談が聞けるとあって興味津々の様子。目を輝かせてノートにメモを取るなどし、1時間以上にわたる濃密な時間を過ごした。

講演会はリフティング対決でスタート。鈴木選手と新井選手がヘディングでつないだ回数を上回ると、2人のサイン入りユニホームがチームに贈られる。両選手は息の合ったところを見せて65回を叩き出し、その数字を越えるべく2人1組で4組が挑戦。緊張もあってかなかなか上回れないものの、会場は大盛り上がりで絶えず笑い声が響く。なんとか最後の組が両選手の回数を上回り、無事にユニホームを獲得した。

 

 

その後に「元日本代表サッカー選手が語る『成功への近道』〜厳しい競争の世界で勝ち抜くための秘訣〜」と題して鈴木選手が話し始め、選手たちはにこやかな表情から一転して引き締まった顔つきで耳を傾けた。『・未熟さを認める ・自分が変わる ・とにかく“今”できることをやる ・人との関係性を大事にする』という流れに沿って、鈴木選手が実体験を元に展開。スライドを使いながら選手たちへ熱く語り掛けた。

「自分の未熟さを受け入れることはすごく大事」「遠回りでも結果的に近道のときがある」「応援をしてもらえる環境を作る」などの言葉は現役選手だからこそ説得力十分。新井選手との対談も行い、それぞれが契約満了の“0円提示”を受けた際の心境や、オンとオフのメリハリの重要性、チームづくりのヒントなど盛り沢山の内容だった。新井選手はJ1川崎時代の2019年、リーグYBCルヴァンカップで優勝して最優秀選手賞獲得時のエピソードを披露。

優勝という結果を残すためには「全員が自分にベクトルを向けて、全力でプレーすることが周りに良い影響を与える」と言い、また、チームで同じ考えを持って一つになってまとまる大切さを説いた。質疑応答ではさまざまな質問が飛び、「勝てないチームの特徴は?」とのシビアな問いに対し、鈴木選手は「やりたいことと、やるべきことがマッチしていないサッカーはあまりよくはない」と指摘し、こう続ける。

「みんなが同じ方向を向いて、やるべきことをわかっている状態をどれだけできるかが大事」と強調。新井選手は「監督についていかない選手が一人でもいたら、そのチームは弱い。やっているサッカーに適応して引き出しを増やし、求められるプレーをしていくこと」。高校3年間の心構えも問われ、新井選手は「自分がチームを強くしてやろうとひたすら思っていた」と話す。実際に同校を初の全国高校選手権県予選8強へ導き、強豪の礎を作った。

鈴木選手は石川県の名門・星稜高校出身で「誰よりもボールを蹴ろうと思っていて、質より量」と寮から朝一番にグラウンドへ出て行って練習し、放課後も人一倍長く取り組んだ。「全部をやって、後悔しないように」と必死に励み、今の活躍につながっている。講演会を終えた鈴木選手は「合宿の3日目で一番疲れているなかでも、しっかりと雰囲気を作ってくれてうれしかった」と真摯な姿勢の選手らへの感謝を口にする。

自身も星稜高校時代にOBの本田圭佑選手の講演を聞き、「『夢は大きく持って、一番になるように』と伝えてくれた」ことでモチベーションが高まったそう。その経験も原動力の一つとなって「夢や勇気を与えたい」と講演活動を始めた。参加したGKの森穂貴選手(2年生)は両選手から聞いたチーム、個人を強くする秘訣などを「今後に生かしていきたい。結果を残せるチームになれれば」と気持ちを新たにチーム目標達成を誓った。

 

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