「ゼルビアTimes」郡司聡

黒田剛監督「それほど悪いゲームではなかったが、チャンスをなかなか決め切れなかったという一言に尽きる」+須藤大輔監督、奥山政幸、北村海チディ【藤枝MYFC戦/試合後会見コメント+α】

■明治安田生命J2リーグ第35節
9月17日(日)18:00キックオフ
藤枝総合運動公園サッカー場/4,566人
藤枝MYFC 0-0 FC町田ゼルビア

相手の強烈なアラートを前に10本のCKも実らず

 

○黒田剛監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「トータルで見ると、そんなに悪いゲームではなかったと思いますが、チャンスをなかなか決め切れなかったという一言に尽きるかなと。もちろん、体を張って守る藤枝さんの気持ちは迫力があり、素晴らしいモノはありましたが、それを上回るだけのわれわれの迫力や闘志をもっと出していくことが必要です。チャンスがありながらも、枠内にシュートを入れられなかったり、コースを突くことができなかったのは、われわれの力不足という気持ちもあります。なんとか1点を取って、無失点に抑えることが町田のスタイルですので、それがなかなか思うようにいかなかったのは、反省材料として持ち帰りたいです。アウェイゲームが続きますが、自力優勝できるのはわれわれ町田1チームしかありません。それをポジティブに捉えて、今回の反省点を練習で改善させながら、次の長崎戦を迎えたいと思います」

 

–後半にチャン・ミンギュ選手が攻め上がる形があったように、後半の点を取りに行っていた攻勢の時間帯はどう見えていましたか。
「ミンギュに関しては、前でターゲットになったり、セカンドボールを拾う機会もありましたが、われわれの指示ではなかったです。ただミンギュが前に出て行った後は、松井蓮之を下げるなどの対応はできていました。ミンギュの気持ちを無駄にすることがないように周りが対応できていましたし、得点はそういう姿勢が実を結ぶこともあります。また相手のズレを生むことにもつながることを狙って、ミンギュが個人で判断した形です。リスクマネジメントを徹底させた中でなんとしても勝ちたかったゲームでしたし、点を取ることはできませんでしたが、ミンギュの姿勢は評価してあげるべきことかなと思います」

 

–ある程度優勝が見えてきたことで、選手たちの中に硬さが出ているのでは?
「それはわれわれだけではなく、他でも勝ち点3をなかなか取れないゲームが増えてきていることに表れていると思います。残留争いやプレーオフ進出が懸かったチーム、あるいはわれわれを含めた上位4チームもしのぎ合いをしていますので、われわれだけではなく、他のチームも勝ち点3を必死に取りに行っていることを認識した上で、町田らしいサッカーを志向していくことは、共通理解の中で、ある程度今日の試合でも示すことはできました。ただ精度の部分が欠けた印象です」

 

–藤枝の交代で入ってきた選手の中には、情報量の少ない選手もいました。そうした選手への対応はどう見えましたか。
「個人の特長はそんなに大きく変わっていないかなという印象を持っています。藤枝さんはボール保持型のチームですし、ボールを大事にしてくるチームです。そのため、ボールを奪った後にどう攻撃をするかということに矢印を向けて練習をしてきました。練習でセットプレーのマークの確認程度はやりましたが、相手への対応に関しては、それほど多くの指示を出してはいません」

 

–左SBに奥山政幸選手を起用し、ダブルボランチの一角には安井拓也選手を配置していました。先発メンバーを決める上でポイントにしたことは?
「前節の栃木戦のオウンゴールもそうですが、相手にクロスを入れられることに対してのストレスを抱える形になったため、練習でクロス対応ができていた選手を起用する形にしました。また栃木戦はクロスがゴールラインを割ることも多かった中で、今回は(ミッチェル)デュークも入りましたし、クロスの精度を上げることを意図した人選でもありました。またボランチに関しては、藤枝さんの中盤の構成力やスキルを考えれば、ある程度攻撃の芽を摘める選手を入れる必要がありましたし、安井のようにクオリティーの高い選手を入れることで攻守ともに安定していくだろうという算段もありました。また選手交代という意味では(下田)北斗を入れて、クロスやパスの精度を上げることを意図して起用しました」

 

○須藤大輔監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「前節の熊本戦ではハイプレスというよりもミドルプレスで構え、攻撃は少しロングボールを多用しながら攻撃するという少し割り切ったような戦い方をしましたが、引き続きそういう狙いを持ってこの試合に入りました。スタッツを振り返ると、相手にシュート数やCKの数は圧倒されていましたが、それでも無失点で守れたというのは収穫でもあります。何度かあったチャンスを決めていれば、ボール保持率関係なく、勝ち点を手繰り寄せられる展開に持っていけたのかなと思います。

本来はボールを保持して相手を疲弊させたかったのですが、前半はそれができていなかったので、後半はそういった点を修正しました。残留争いをしていることも影響しているのか、相手の圧に少し選手たちがネガティブとなり、特に最終ラインはロングボールで開放したかったという姿勢が見えました。もう一つチームが上に行くためには、その点が修正ポイントです。もっとボランチを経由して、ターンをしてシャドーにボールを入れていくプレーは必要でした。ただ途中から入る選手もしっかりと試合には入れていた印象を持っています。

でも、われわれが目指しているのはボールを有機的に動かしながらアタッキングサードに入っていくサッカーです。相手の圧力を感じながらもチャレンジすることと、それが無理な場合は一発で背後を狙っていく。その使い分けを併用しながらやっていきたいですが、この勝ち点1は大きいものだと思っています。また選手たちが最後まで粘り強く走り切ってくれたことに感謝していますし、次につながる勝ち点1になりました」

 

–試合開始から相手の圧力を感じる展開になりました。

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