「ゼルビアTimes」郡司聡

黒田剛監督「90分間運動量が途切れることなく、相手の長所をつぶし続けられたことを含めて、パーフェクトなゲームになった」+ファビオ・カリーレ監督、下田北斗、櫛引一紀【V・ファーレン長崎戦/試合後会見コメント+α】

■明治安田生命J2リーグ第20節
6月11日(日)14:00キックオフ
町田GIONスタジアム/3,983人
FC町田ゼルビア 4-1 V・ファーレン長崎
【得点者】町田/30分 ミッチェル・デューク、43分 エリキ、58分 ミッチェル・デューク、64分 エリキ 長崎/84分 フアンマ・デルガド(PK)

勝利の原動力となった最強2トップ

○黒田剛監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「首位と4位の対決ということでかなり拮抗した展開となり、1対1の攻防が激しく繰り広げられるのではないかという想定の中で試合に入りました。想定していた以上に、長崎さんはフアンマ(デルガド)選手を狙ってボールを入れ、そこから生じるセカンドボールを回収し、攻めようという形を志向をしてくる中で、藤原優大とチャン・ミンギュ、そしてダブルボランチによるセカンドボール回収で優勢に立ち、フアンマを孤立させるような形を創出し、相手にフィニッシュまで持ち込ませない状況を作り出せていた印象です。

また攻撃に関しても、前半から数多くのチャンスを作れましたし、エリキとミッチェル・デュークが体の軽い状態で試合に入れました。相手陣地に入った後は、アーリークロスや低いボールを入れることを理想としている中で、まさしくその形から1点を取ることができました。また2点目に関しては、ロングスローのこぼれ球を最終的にエリキが決めることで十分に役割を果たしてくれました。ゲーム運びとしては、前半でこの2点を取れたことが、チームにとって喜ばしい状況になりました。

ただ後半は「このまま絶対にいかないぞ」と選手たちに伝えましたし、2-0のまま、後半20分までは我慢をしようと選手たちを送り出していました。ただ隙あらばゴールを狙っていこうという中で、早い段階で3点目を取れたことが、相手に与えるダメージを加速させるものになりました。この3点目があったことにより、グッと勝利に近づくことができました。ただ4点目を取った後、交代出場の沼田(駿也)が大振りをしたことでPKを与えることにつながりました。コンパクトな足の振りで良かったのに、そうできなかったことは今後の反省点になります。

仮に0-0で拮抗した試合であれば、その1本のクリアが敗戦にもつながるポイントになります。その1点を与えてはいけないことを、次の栃木戦に向けた反省材料としてトライしていければと思います。トータルとしては、90分間運動量が途切れることなく、相手の長所をつぶし続けられたことを含めて、パーフェクトなゲームになりました」

 

–あらためてエリキ選手とデューク選手の貢献度はいかがでしょうか。
「彼らの役割はゴールを決めることだけではなく、前から相手に制限を加えながらボールを奪うことまで要求しています。そういったことを90分間抜くことなく、ハイプレスにしても、ミドルプレスにしても、チームが志向していることをやり続けてくれています。外国籍選手というのは往々にして、守備の部分を一定してできないといったことがあるものだと聞かれますが、彼らに関してはそういったこともなく、真摯にチームのやるべきことを日本人選手以上の貢献度でやってくれています。またはスペースへの進入やクロスに対して入っていくことでのチャンスメークも十分にできる選手として、町田には欠かせない戦力として高く評価しています」

 

–前節の千葉戦の勝利により、前半戦の首位ターンが決まっていたことについては、どのように捉えていましたか。
「首位ターンに関して、私の中ではそこまで重視視しているわけではないです。7試合を1クールに区切り、第3クールがあと1試合で終了する時点で勝ち点45にまで到達しました。確かに高い目標ではありますが、ここまで第1クール、第2クールと1クールで勝ち点15を目標とする中でそれぞれ目標に到達できていることは、本当に選手たちが良く頑張っているという言葉に尽きます。ただ次の第21節に勝って、貯金が3つある中で前半戦を折り返すことが一番重要です。首位で折り返せば良いという話ではなく、1クールごとのトータルの勝ち点にこれからもこだわっていきます」

 

–ここまで首位であることは一つの自信につながっていると思いますが、今後はそれがプレッシャーや緊張に変わることが想像されます。
「もちろん不安がないと言えば嘘になりますが、現在われわれが志向しているプレッシングサッカーは、キャンプを通じ1カ月を掛けて落とし込んできました。それに対してまずは自信を持って試合に入ることと、またわれわれの志向するサッカーが90分続いた先に勝利があります。勝ち急ぐことなく、0-0で試合が進んでも何ら問題はないですし、攻め急ぐことなく、0-0で試合を進めることが、一番好む1-0での勝利に結びつくんだと信じて、選手たちには表現してもらっています。

決して結果に一喜一憂することなく、勝ったからといって、プレッシャーが掛かるという話ではなく、目の前の試合でFC町田ゼルビアのサッカーをしっかりとやっていくということ。ブレずにやり続けることが一番大事だと、選手たちにも常々働き掛けているので、しっかりと継続してやっていきたいです」

 

○ファビオ カリーレ監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「こういう試合展開の場合はあまり話さないほうが良いということを学んでいますし、今は冷静ではないので、冷静になった時に話したほうが良いのかなと思います」

 

–試合を通じてボランチが低い位置を取っているような印象ですが、意図的にそうしていたのでしょうか。
「質問に対しての答えとしては、冷静にこの後、映像を見ないと分からないですが、立ち上がりについてはとても良い形で試合に入れましたし、自分たちが望んでいたようなパス回しや、サイドからスペースを突く形もできていました。ただ失点をしてから自分たちを見失ったような形になったと思います」

 

–町田と実際に戦ってみての実際の印象は?

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