【HHレポート】「『めざせ日本一!』 田向、宮市選手が水戸商業高校で講演会」(2015/3/17)※全文無料公開
悲願の全国制覇のため、選手らがアスリートの心得をアドバイス
水戸市新荘にある県立水戸商業高校体育館で「『めざせ日本一!プログラム』自己啓発コーチング講演会」が3月16日に開催され、田向泰輝選手と宮市剛選手が1、2年生約560人に講演しました。
水戸商業高校の部活動加入率は県内トップレベルの93%。
サッカーや野球、その他のスポーツも全国大会へ数多く出場しているスポーツ強豪校です。
しかしどの部活も未だ全国制覇した経験がなく、同校にとって「日本一」は長年の悲願。
そこで昨年度から「特色ある学校づくり事業」として「めざせ日本一!プログラム」を発足しました。プロスポーツに関わる講師を招いて、アスリートの生活からメンタルトレーニング術、心得などを学び、今後の部活動に活かして全国優勝を狙おうと意欲的に取り組んでいます。
講演会には水戸市出身の田向選手、高校生達と世代が近い19歳の宮市選手が招かれ、各運動部の部長らとの質疑応答のトークライブが繰り広げられました。
Q.Jリーガーになったきっかけは?(空手部主将)
田向:小さい頃からサッカーをしていて、Jリーグの試合を観て、自分もあの舞台に立ちたいと思い、プロを目指しました。水戸市出身なので地元でもっと活躍したいですね。
宮市:兄がサッカーをしていたので、物心付く頃はもうサッカーをしていました。4歳でチームに入り、5歳の時にプロの試合を観て、僕もなりたいなと思ったのがきっかけです。
Q.空手道では「集中力」が非常に重要となるのですが、サッカー選手はそれを鍛えるためにどんなメンタルトレーニングをしているか?(空手部主将)
田向:試合前に良いプレーをしているイメージをしています。そういうイメージトレーニングが大事だと思います。
宮市:色々なサッカー選手がプレーする動画を観て、自分のプレーのイメージを膨らませています。
Q.チア・ダンス部はお客さんに対して笑顔や元気を届けるショーマンシップの重要性を学んでいるが、サッカー選手はお客さんに対してどんなことを考えながらプレーしているか?(チア・ダンス部主将)
田向:サポーターに勝つ試合を見せたいと常に思っています。しかしサッカーは全ての試合に勝てることはほとんどありません。なので例え勝てなくても、泥臭く戦う姿を見せたいと考えています。
宮市:試合は練習で一生懸命に取り組んだ成果を見せる場。そこをお客さんに見せたいですし、笑顔も届けたいです。
Q.チア・ダンス部はスポーツの応援もするが、応援される側としてどんな応援をして貰いたいか?(チア・ダンス部主将)
田向:一体感のある応援。それによってより頑張ろうという気持ちになるし、力になります。
宮市:応援されるととてもやる気が出ます。応援といっても歓声やブーイング、色々ありますが、気持ちのいい応援をして貰えたら嬉しいですね。
Q.陸上競技は筋肉トレーニングが非常に大事。2人は普段どんな筋トレをしているか?(陸上競技部主将)
田向:マシンでのジムトレーニングもしますが、一番大事なのは体幹の筋肉を鍛えること。体の全て動きに繋がるので、是非取り組んで欲しいです。
宮市:もちろん外の筋肉も必要ですが、僕はFWなのでゴールを狙うのですが、軸がブレるといいシュートが打てません。僕も中の筋肉、体幹をとても重視しています。
Q.シーズン中とオフシーズンのメニューの違いは?(陸上競技部主将)
田向:シーズン中は週に1回試合があるので、コンディションを整えることに費やします。オフシーズンは身体をいじめられる時期。厳しい練習が多いですね。
宮市:ホーリーホックは高校生並に走るチーム。オフシーズンはいかに身体をいじめるかがレベルアップに繋がります。シーズン中は主にコンディションの調整をしています。
Q.プロサッカー選手として食事の面で気をつけていることとは?(テニス部主将)
田向:食事はすごく重要。野菜を多めに、炭水化物やタンパク質をバランス良く食べることが大事です。揚げ物、甘いものはなるべく控えています。
宮市:一番大事にしているのは朝食。朝からしっかり食べると元気も出るし、どんなにトレーニングをしていても体重が減らないです。
Q.もし制限なく食べてもいいと言われたら何を食べる?また好きな食べ物、嫌いな食べ物は?(テニス部主将)
田向:甘いものが好きなので好きなだけ食べてみたいですね。嫌いなものはありません。
宮市:お寿司!大好物のものをいっぱい食べてみたいですね。ネギと玉ねぎが嫌いです…。
Q.バドミントン部員の多くは貴重な休みを寝て過ごしているが、どのぐらい休みがあって、どんな風に過ごしているか?(バドミントン部主将)
田向:シーズン中は週1回休みがあります。ダラダラと過ごしてしまう日もあれば、早朝から起きて出掛けることもあります。僕はみんなで遊ぶのがリフレッシュ方法。最近はチームのメンバーでボーリングによく行きます。休みは有効に使いたいですね。
宮市:オフ前は僕もそのボーリングに参加しています。オフの日は昼ぐらいまで寝て、午後から温泉に行ったりすることが多いですね。
Q.ズバリ、サッカーの魅力とは?(バドミントン部主将)
田向:攻守が目まぐるしく変わる、終了間際に試合が動いたり、劇的な展開もあったりする。そんな部分に面白さを感じますし、皆さんに楽しんで欲しいです。
宮市:点を競い合うスポーツで何が起きるかわからない所。相手とぶつかり合う激しさ、ゴールをみんなで喜び合う楽しさが魅力なのではないでしょうか。
Q.彼女はいますか?(生徒)
田向:募集中です。
宮市:今はいません。
Q.不調の時はどう乗り越えている?(生徒)
田向:調子が悪くなる時は誰しもある。落ち込んだり、ネガティブになってしまいがちですが、そこでやめたり、腐ったら終わり。とにかくやり続ける「継続力」が大事だと思います。
宮市:仲間にはやはり言いづらいので、兄を始め、家族に相談しますね。本音で言ってくれるので、有難いです。
Q.水戸のサポーターが増えるためにどんな働きかけが必要だと感じているか?(教諭)
田向:選手としては勝ち続けるしかないと思っています。強いチームになることで応援する人も増える。一つでも多く勝って、J1へ行くことが自分にできること。水商の皆さんも是非応援して下さい。
宮市:イベント、講演会に出演したり、地道な声掛けも必要。生徒の皆さんは水戸のファンになりましたよね?周りの人に宣伝して下さい!
Q.全国優勝するために必要なことは?(生徒)
田向:優勝するには色んな要素があると思いますが、まず誰よりも努力すること。全国には才能ある人、すごいチームばかり。「上のレベルのチームに勝つには、そのチームよりも多くトレーニングすること」とうちの監督もよく言います。時間が許す限り、練習することが大事です。
宮市:努力ももちろん大事だけど、自分達のやってきたことを信じるメンタルの強さが必要だと感じた。僕は選手権で全国優勝できなかったのですが、やはり気持ちが切れたことが敗因だったと思う。メンタルを保つことはとても難しい。けれど、そこを切らさないチームが優勝すると思います。僕の時は実際、そういうチームが優勝しました。
Q.卒業したサッカー部員が「味方がゴールを決めると3日間は幸せな気持ちに包まれる」と言っていたのですが、プロもそんな風に思うのか?(教諭)
田向:点を取って勝つのは嬉しいけれど、その日だけですね。次の日からもう次の試合に気持ちが向かっているので。
宮市:僕は高校時代、公式戦でゴールを決めると3日間ぐらい嬉しかったので、気持ちはすごくわかります(笑)
Q.好きな芸能人は?(生徒)
田向:佐藤ありさ
宮市:北川景子
Q.怪我に直面した時の立ち直り方とは?(校長)
田向:プロになってからはまだ大きな怪我をしたことはないのですが、高校、大学時代は2、3ヶ月離脱したこともあります。自分が目指す所がしっかりしていて、目標がブレないことがどんな時も大事だと思います。
宮市:プロ入りしてからはまだ、ちょっとした怪我しかしていませんが、サッカーという職業で飯を食べているので、とにかく治すしかないという気持ちになると思います。高校時代は大事な試合の一週間前に怪我をして落ち込んだこともあります。でも仲間が勝つことを信じていましたし、絶対に次の試合に自分が出るぞと前向きな思いで過ごしていました。ポジティブな気持ちでいると、なんとなく怪我の治りも早いような気がします。目標を立てることが大事です。
選手VS水商サッカー部のリフティングパス対決、混合チームのドリブルリレー対決も
昨年県1部リーグで準優勝した水商サッカー部員とのリフティングパス、ヘディングパス対決、そして生徒達が田向・宮市チームに分かれてゴールを競ったドリブルリレーでは、両選手が華麗なドリブルを披露。そのテクニックを目の当たりにした生徒達から「すごい!」と歓声が上がっていました。
「プロの人達にはなかなか直接話を聞けないので、貴重な時間でした。ためになる話も色々と聞けたので、最後の総体を頑張ろうと改めて思いました。水戸ホーリーホックの試合も見てみたいです」とバドミントン部の阿部日向さん(2年生)。
バレーボール部の坪来瑞希さん(1年)は「怪我の話が印象的でした。色々な質問を聞けて、ためになったことがたくさんありました。自分の目標に向かって頑張りたいと思います」と背中を押された様子でした。
水戸商のスポーツ部員達の今後の飛躍に期待したいですね!
3月29日(日)の愛媛FC、4月11日(土)の徳島ヴォルティス戦、4月29日(水・祝)のファジアーノ岡山戦(全て13:00キックオフ)は茨城県内の在住、在学の学生対象に「春の無料招待」を実施中。
田向、宮市選手の勇姿を見届けに、きっと水戸商業高校の生徒達も笠松へ足を運んでくれる事でしょう!
(米村優子)