「水戸アカデミー新拠点の人工芝グラウンド『SISファシリティ』が完成。竣工式やこけら落とし試合を開催」【HHレポート】※無料記事

【写真 米村優子】
水戸ホーリーホックの下部組織の拠点となる人工芝グラウンド「SISファシリティ」が完成し、3月18日に「SISファシリティ1期グラウンド整備竣工式」が開催されました。
MFA-B&Sの澁谷安泰志代表理事、水戸市の高橋靖市長、水戸市サッカー協会の加藤明良会長ら約50人が列席する中、小島耕社長が来賓挨拶で完成の喜びや関係者への感謝を述べ、テープカットに参加しました。
昨年トップチームに2種登録をされていた水戸ユースGK上山海翔選手がキックインセレモニーに登場し、自前のスパイクに履き替えた澁谷代表理事とのPK対決で新拠点の完成をともに祝いました。
SISファシリティとは、Synergy in Sports(スポーツにおける相乗効果) + Sports Facility(スポーツ施設)を組み合わせた略称。
今後サッカーとバスケットボールを中心にさまざまなスポーツの体験機会を創出し、水戸市のスポーツ文化の発展と成長や魅力あるまちづくりに寄与できる施設を目指すことを目的に名付けられています。
この新グラウンドは、水戸ホーリーホックと水戸市サッカー協会が協力して設立した一般社団法人MFA-B&Sが主体で推進する「サッカーグラウンド整備を核としたスポーツ振興プロジェクト」によって誕生し、水戸アカデミーが優先的に使用しながら、サポーターや水戸市民向けのイベントなどを通じて、水戸市のスポーツ振興、地域の活性化にも役立てられる予定です。
竣工式の後は、水戸ユースと水戸OB金久保順さんがコーチを務める水戸啓明高校サッカー部による30分×4本のこけら落としゲームも開催されました。
水戸啓明高校の前身・水戸短大附属高校出身の本間幸司CROも見守る中、水戸ユースが6-1で快勝。大量の祝砲によって新練習拠点の誕生への歓喜を表現していました。
ファーストゴールを決めたボランチの佐野光選手は「あまり点を決めるタイプではなく、これが今シーズン初ゴールになると思います。この新しいピッチで最初に得点できたことはすごく嬉しかったです。50号バイパス沿いを通るたびに『早く出来て欲しいな』とチームメイトたちとずっと心待ちにしていました。実際にプレーしてみると、人工芝の長さがちょうど良く、ボールもよく滑って、すごく使いやすいピッチです。ここが使えることは当たり前なことではなく、たくさんの人が協力して作ってくださったもの。大事に使って、県リーグ優勝してプリンス2部への昇格と、クラブユース全国大会出場をして恩返ししたいと思います」と笑顔で話していました。
アカデミーの拠点の整備は、トップの強化と発展につながるもの。
近い将来、このピッチで内田優晟選手に続く生え抜きの選手が誕生し、水戸から世界に羽ばたく日が必ずやって来ることでしょう!

【写真 米村優子】
◯MFA-B&S 澁谷安泰志代表理事
「本日は、私どものサッカーグラウンドの竣工式にご参列いただきまして、本当にありがとうございます。私どもが計画した以上に年数がかかってしまいましたけれども、無事この日を迎えることができました。本当にありがとうございました。着工以来、事故もなく、工事も予定通り進みまして、本日の良き日に竣工式という記念すべき日を迎えることができたと思っております。これまで私どもにご支援をしていただき、本当にありがとうございました。
サッカーグランドが無事完成することができましたのも、工事に携わっていただいた有限会社荻建設設計事務所様、日本体育施設株式会社様、そしてコスモ総合建設株式会社、関係者の皆様方のおかげで大変感謝しております。また、心より御礼申し上げます。ありがとうございます。
地権者の皆様にもたくさんのご心配とご迷惑をおかけしましたが、ご理解とご協力をいただきましたことを心より感謝申し上げます。こうしてたくさんの方々に支えられ、サッカーグラウンドを完成させることができたことを大変嬉しく思ってます。
ですが、今回は1期工事の完成であります。我々は2期工事、3期工事を進めていき、我々が目指す完成系に向けて精一杯、今後は努力していきたいと思っています。
これからも皆様方には何かとお世話になるかと思いますが、変わらずご指導ご鞭のほどよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、ご参集の皆様方のご健勝とご多幸を心よりご祈念いたしまして、甚だ簡単ではございますがご挨拶とさせていただきます。皆様、本当にありがとうございました。
実はここまで来るまでに実は4年間かかってしまいました。それには色んなことがあって、この場所になったのですが、今は工事の関係の皆様に対しての感謝という形で私の方から述べさせていただいたんですが、それに至るまでにたくさんの方にご迷惑をおかけしたので、私から感謝を申し上げたいと思います。
今回のグラウンド事業が、この方がいなかったら絶対に成り立っていなかった、ここまで来れなかった。そんな風に、僕にとっては神です。高橋水戸市長です。ありがとうございます。
ある時、僕の目の前が真っ暗になりました。心も真っ黒になりました。だけど、そこに一筋の明かりを与えてくれて、そして大きな光をもたらしてくれました。千葉銀行の藤代水戸支店長です。どうもありがとうございます。
そして、資金面で色々と保証していただきましたコスモ総合建設株式会社の池田会長さん、ありがとうございます。
今回この事業がここまで来たのも、この2人がいなかったら絶対にここまで来られなかったと思っています。実は水戸ホーリーホックの役員でございます。この2人が私の足となり、手となり、私の元で一生懸命やってくれました。役員の方が資料作って、頭下げて、色々と回ってくれました。本当に申し訳ないと思っています。市原君、鈴木さんです。ありがとうございます。引き続きお願いします。
私と地権者の皆さんのところに回っていただいて、何度も何度も頭を下げ、何度も何度も訪問していただいて、このアポを取っていただいたノーブルホームのナガセさんです。本当に皆さん感謝いたします。ありがとうございました」

【写真 米村優子】
◯水戸市 高橋靖市長
「SISファシリティ1期の竣工がめでたく今日迎えられたということで、心よりお喜びを申し上げます。本日に至るまで大変なご尽力をいただきました澁谷代表理事をはじめといたしますMFA-B&S の関係者の皆様方、そして加藤会長様をはじめといたします水戸市サッカー協会の関係者の皆様、そして小島社長をはじめといたします水戸ホーリーホックの関係者の皆様方に、心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
また、先祖伝来の大切な土地として賃貸をいただきました地元地権者の皆様方、そして見事な匠の技を持って完成をしていただきました開発、設計、施工にあたられた事業者の皆様方にも心から敬意を表したいと思います。
そしてですね、今回は企業版ふるさと納税という制度を活用して財源の確保を図るということで、水戸市が関係をさせていただいたところでありますが、多額のご寄付をいただきました企業の皆様方、本当にありがとうございます。そして、金融面からご支援をいただきました金融機関の皆様方にも、心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
先ほど澁谷代表理事から話がありました通り、多くの方々に感謝を言い切れないくらいの方々にお世話になって、こうして完成をした訳であります。大変嬉しく思っております。第2期、第3期工事がこれからまた続くということでありますので、どういう完成形があるのか、私も楽しみにしながらその日を待っていたいという風に思います。
水戸市は、見るスポーツ、するスポーツ、支えるスポーツ、いろんな形でスポーツに、楽しむことができるスポーツまちづくりを進めているところでございます。特にホーリーホックにおかれましては、プロチームですから、するスポーツという訳にはいかないんですけれども、この見るスポーツと、そしてボランティアとして支えるスポーツと、この2つから市民の皆さん方が楽しく関わらさせていただいているという大切な地域資源であります。そのホーリーホックが、まさに次世代を担うプロ選手を育成しよう、あるいはプロまでいかないまでもですね、このサッカー界を背負う人材を育成していこうという思い、まさにこの育成機能をしっかりやっていこうということでこのグラウンド整備がなされたということでありますから、ここからどういうこの選手が生まれるのか、プロで活躍する選手が生まれるのか、オリンピックで活躍する選手が生まれるのか、ほんとに楽しみにワクワクしているところであります。これからもいい子供たちを育てていただいて、サッカーのみばかりではなくて、やはり心身ともに健全な青少年の育成にご尽力をいただければありがたいなという風に思っています。
ご覧の通り、水戸市の見川総合体育館を含めたこの見川総合運動公園がここにあります。まさに水戸市としてはスポーツの一大拠点でございまして、様々な競技がここで行われています。そこに付随してこのサッカー場ができたということは、このエリアがまさにスポーツ拠点としてのボリュームがまた1つ増えたということで、私たちにとってもこれからスポーツまちづくりを進めていく上において、様々な事業展開ができるようになる可能性が広がっていく、選択肢が広がっていくという風に思っています。
これからもスポーツを通して青少年の健全育成、あるいはコミュニティーの推進、さらには市民の1人1人の健康増進、様々なことをやっていきたいという風に思っておりますので、このサッカー場とも私どもの事業連携をさせていただければありがたいなという風に思っております。澁谷代表理事にもよろしくお願い申し上げたいという風に思います。
ここからまた水戸市の、そして茨城県の大いなる夢が広がっていく。そういう拠点となって皆様方に愛され、親しまれていきますように、心からお祈りを申し上げながら、また、第2期、第3期工事があるようでありますので、また温かく皆様にお見守りをいただき、また引き続き企業版ふるさと納税もご協力をいただければありがたいなという風にも思っております。
改めまして、この施設が皆様方に親しまれ、愛されて、大成長していきますように、合わせてご協力いただいた皆様方のご健勝、ご多幸を、ご活躍を心からお祈り申し上げて、ご挨拶に返させていただきたいと思います。本日は誠におめでとうございました」

【写真 米村優子】
◯水戸市サッカー協会 加藤明良会長
「本日はSISファシリティグラウンドの竣工式が、こうして関係各位の皆様方お揃いの中で盛大に開催されますことを心からお喜びを申し上げます。ただいまご挨拶をいただきましたMFA-B&S 澁谷代表理事をはじめ、このグラウンド整備にご尽力をしていただきました多くの皆様方に、改めて心から感謝、御礼を申し上げるところでございます。
澁谷理事長からお話がございましたようにですね、4年間という日の中に本当に多くの紆余曲折がございました。まず、那珂川のホーリーピッチが緊急整備河川事業の中で使用ができなくなるというような環境のもとで、水戸ホーリーホックの少年育成の中でもグラウンドが急に必要になり、その緊急性のもとでどこかにグラウンドを作らなければいけない。その中で、多くの検討課題がありましたけれども、ようやくこの見川の地にそのターゲットを絞れたということがございました。
しかしながら、それがまた今度は地権者の皆様方のご協力をいただく、さらには資金面での調達をしなければいけない。さらには、事業者、施工会社の皆様方にお願いしなければいけない。その多くの難題、課題、澁谷代表理事、市原さん、鈴木さんをはじめとします多くの皆様方が本当に汗水流して、日々皆様方に頭を下げながらご苦労されました。その中心人物としてご活躍をいただきますましたのが、なんと言いましても澁谷代表理事でございまして、本当に頭が下がる思いでございます。改めて、澁谷代表理事に皆様方から大きな拍手を送っていただければありがたいと思います。本当にありがとうございます。お疲れ様でございました。
多くの地権者の皆様方、また事業者の皆様方にご理解をいただく中で、こうして誕生したグラウンドに多くの子供たちがサッカーを通じて健全な心と体を鍛えていただき、そして水戸市のサッカー環境に大きなまた足跡を残していただく。ここから世界に育つ、選手が育つ、そういった環境に本当に心から期待を申し上げるところでございます。
その多くの環境の中で本当にお世話になりました皆様方、特に高橋市長にはこの難題、課題、本当にその都度その都度、その光を与えていただいたということでございまして、改めて私からも心から感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。これからもホーリーホックを中心としまして、水戸のスポーツ環境、さらに町づくりにご尽力をいただく中で、我々水戸市サッカー協会も全力を尽くして、そのお手伝いをさせていただきたいと思っております。
これからも多くの皆様方に喜ばれる、そして親しまれ愛されるこのサッカーグラウンドとして多くの皆様方に使用していただける、そのようなことを心からご祈念を申し上げまして、感謝と御礼の言葉とさせていただきます。皆様方、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします」

【写真 米村優子】
◯小島耕社長
「我々このグラウンドの完成にあたりまして、先ほど加藤会長からお言葉あったのですが、ホーリーピッチに緊急工事が始まるということで、『育成の水戸』を謳う上でアカデミーカテゴリーのグラウンド確保が急務になりました。
本当にその時点で我々としては、かなり難しい状況ではあったんですけども、加藤会長、そして澁谷さんにご相談に行きました。その時に二つ返事で『よし!』というお言葉をいただいたことを非常に今でも心に強く覚えております。
そして、その先にあったのは地権者の皆さんのご協力でございまして、水戸ホーリーホックの未来、そして水戸の未来を色んな言葉をいただいた中でご協力いただきましたことを今でも覚えております。
その先に色々な紆余曲折があったのですが、皆さんがお話されている通り、高橋市長が強くバックアップをしていただきました。市長のお力なしでは、今日この日を迎えることができなかったかなと思っております。
色々な方に感謝を述べたいのですが、金融機関の方、工事関係者の皆様、本当にたくさんのわがままや困難を我々からぶつけてしまったかと思います。その中で共通のワードとして、『水戸の街の未来を』という言葉がありました。今日グラウンドが完成したのですが、我々のアカデミーの選手たちがこの場所から多く育って、明後日にちょうど日本代表の試合ありますが、おそらく日本代表は8大会連続でワールドカップの出場を決める日になろうかと思います。その舞台にここでプレーした選手たち、ここで育った選手たちが現れることがもちろん1つの目標でございます。ただ、全て日本のトップレベルの選手になれるわけではないと思います。ここで汗を流した選手たちが、日本のスポーツ界、ひいては日本の社会を牽引するような、そしてこの地域を明るくするような存在になることが、このグラウンドに対しての感謝だと思っております。
世界中に71のプロリーグがあり、約1300のプロクラブがあるそうです。その中で、どのクラブも若い選手たちの育成ということが1つの課題です。我々もこのグラウンドからたくさんの素晴らしい選手たちを育成して、そしてこの地域の皆さんとたくさん体を動かす喜びを得られる時間を生み出して、この地域からどんどん明るい未来が生まれるような、そういう場所にしていきたいと思っています。
本当に今日は関係者の皆様、お忙しい中ご参加いただきましてありがとうございます。そして、皆様のご協力があって今日を迎えられたことを、心より感謝をしております。水戸ホーリーホックは非常に強い責任を感じて、このグラウンドをしっかりと素晴らしいものに育てていきたいと思っております。それが私たちの使命だと思ってます。どうか引き続きのご支援よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました」
◯小島耕社長囲み取材
Q.アカデミーの新拠点が完成しました。
「世界にたくさんプロサッカークラブがある中で、どのクラブもやっぱり若い選手の育成っていうのは使命としてある中で、我々もアカデミーの選手たちが育つ拠点が一つできたということはすごく嬉しいです。我々もクラブにとっての転換点だと思います」
Q.企業版ふるさと納税を活用したそうですが、様々な支援を受けた経緯とは?
「我々の力だけでは、おそらく今日を迎えることはできなかったです。水戸市長をはじめ多くの企業の皆さん、地権者の皆さん、工事関係者の皆さん、多くの方のご協力があって、今日の日を迎えられたことは心から感謝を伝えたいなと思います」
Q.グラウンドは一般にも開放されるとのことですが。
「当然、我々はアカデミーカテゴリーの選手たちの育成だけではなくて、この地域の皆さんの健康増進であったり、スポーツを楽しむ場所としてご活用いただきたいと思ってます。我々だけではなく、この地域の皆さんが心豊かになるように活用していけたらなと思っています」
Q.隣にはバスケットコートも建設予定です。一体的なスポーツも今後、期待される部分だと思います。
「おそらくですけれど、プロスポーツ同士が連携をして練習拠点を隣接して持つことは、日本でもあまりない事例になると思います。先進的な取り組みとして、全国の先駆けになっていければいいなと思います」
Q.この拠点からどんな選手を輩出したいですか?
「日本のサッカーを牽引するような選手は当然出していきたいのですが、それだけではなく日本の社会をリードするような、もしサッカーを離れたとしても、ここで汗を流したことが励みになり、社会で活躍できるような人材がこの場所から生まれればいいと思っています」
Q.サッカーが身近になることで、後々にはJリーグや水戸ホーリーホックに還元されることもあると思います。
「トップチームで活躍する選手を1日でも早くこの場所から生み出したいですし、今日この後もユースが練習試合をしますけど、その場所に近い選手たちもたくさんいる。この場所で鍛えた選手たちがすぐにトップのステージで活躍できるってことが理想の姿かなと思っています」