「サッカー選手の人生は一瞬で終わる。ここで腐っていたら本当にもったいない」 背番号25は自分が必要とされる時まで、静かに牙を研ぎ続ける。
吉尾海夏は怪我をしていない。
それどころか「ずっとコンディションはいい。それはキャンプの時から」と力強く言い切る。トレーニング風景を眺めていても動きは素軽く、キックのフィーリングも悪くなさそうだ。全体練習終了後のシュート練習では、テクニカル&豪快なシュートをたびたび見せている。
しかしながら今季ここまで一度も公式戦のピッチに立っていない。リーグ戦に限ると、メンバー入りの機会すら与えられていない。
中東の地へ乗り込んだACL決勝2ndレグでも遠征メンバー外に。日本に残って大学生やユース選手と汗を流す日々を過ごした。
不遇としか表現できないほどの理不尽と戦いながら、苦しい胸中を明かす。
「このチームに貢献できていない自分への苛立ちと悔しさを日々感じている。ACLの決勝も夜中にDAZNで視聴して「オレは何してるんだろう」という感じだった」
昨季終盤、怪我人が続出するチームにおいて“救世主”の役割を果たした。主に左サイドバックとして試合出場を重ね、優勝争いを演じるリーグ戦とグループステージ突破を目指すACLで奮闘。台所事情の厳しいチームを支えた。
半年前の懐かしい記憶は、今置かれている現状とかけ離れている。
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