「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

今シーズン、アウェイも含めて残り全試合にこのユニフォームが帯同する。 宮市は常にチームの一番近くで戦いを見守り、仲間たちは宮市の思いも背負ってプレーする。 [J23節 鹿島戦レビュー]

 

 

宮市ユニフォームにまつわる秘話

 

 

勝たなければいけない理由があった。

3日前の27日、日本代表対韓国代表の一戦に途中出場した宮市亮が右ひざを負傷。検査の結果、右ひざ前十字靭帯断裂と診断された。あまりにも無念すぎる今季絶望である。

 

 

宮市のために“チーム”が動き出したのは、なんと試合前日だった。

かつて高野遼や畠中槙之輔が長期離脱を余儀なくされた際には、アディダス製の白いTシャツにメッセージを載せてウォーミングアップで着用した。

今回異なった点はユニフォームだったこと。試合で着用するものとまったく同じ、いわゆる“ガチ”のユニフォームである。スタッフが総力を結集してユニフォームを仕入れ、なんとか実現にこぎつけた。

メッセージはキャプテンの喜田拓也を中心に考えたという。

 

 

『亮 どんな時も きみは一人じゃない』

 チームメイトであり、仲間であり、運命共同体。辛い時も、苦しい時も、そばにいる。思いはただひとつだ。

宮市自身が試合で着用しているユニフォームの背中には『RYO』とプリントされているが、この特別ユニフォームはあえて『MIYAICHI』に。前面に『名前』、背中面に『苗字』。よく考えられた構成だ。

メンバー18人がウォーミングアップで着用し、ピッチに立てない宮市へエールを送った。試合後にも再び着用し、今度はメンバー外となった選手も含めてチーム全員がユニフォーム姿に。

その様子を見ていたケヴィン・マスカット監督は自ら着用を申し出たという。試合直後のDAZNのフラッシュインタビュー、さらには公式記者会見にもユニフォーム姿で現れた。

 

ヨコエク

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