「試合前から応援もすごかったし、勝たなければいけないという雰囲気を作ってもらっていた」(榎本)・「とにかくてっちゃん(榎本)がよかった」(中澤) [広島戦後コメント] -3,499文字【増量】-
【試合を終えて】
MF 25 中村 俊輔
「奈良輪にはミキッチにとにかく抜かれないで縦を切れと言っていた。それ で遅攻にさせれば(齋藤)学やカンペー(富澤)がフォローに行ける。でも今日の試合は最初にテツ(榎本)が止めたのが大きい。(佐藤)優平は厳しく言う と、シーズンの最初からチャンスはあった。そのときから今日くらいのプレーができていたら今頃はレギュラーだったかもしれない。でも今日のような試合で勝 てたのは自信になると思う。動きすぎているように見えるかもしれないけど、そのランニングが効いているところもある。今日は相手が前半から飛ばしていたの で、どこかで落ちるとハーフタイムに話していた。ああやって何度も仕掛けていくと5バックじゃなくて3バックになる瞬間がある。人数が多ければいいという わけではないというのを、うまく個で突いた得点」
樋口 靖洋 監督
「4万人近いファン・サポーターの皆さんが駆けつけてくれた今日の大一番で、しっかりと勝ち切った結果をとても嬉しく思う。選手たちが今日のゲームに向けて本当に集中力を高めて、ゲームに向かう良い準備をしてくれた。今週、我々は3連戦で3つのタイトルに挑もうということでゲームを戦ってきた。残念ながらヤマザキナビスコカップは決勝に進むことはできなかったが、結果的には3連勝と、三兎を追いかけて、結果として二兎を得ることができた。ゲームの内容に関しては広島さんのパスワーク、特に2シャドー、1トップにボールが入ったときの連動性の高さ、あるいはサイドを使っての迫力を警戒していた。選手たちにも今日は我々のスタイルで戦って相手のスタイルを消そう、相手に合わせることなく自分たちのサッカーで消そう、と話していた。結果は上回れたが、やはり広島さんは力があるということも実感している。残りリーグ戦は5試合になった。まだまだ混戦が続くと思っている。常に良い準備をして、良いゲームをして、良い結果を出せるよう、集中して準備したいと思う。(ドゥトラや兵藤の代わりに出場した選手の評価は?)(佐藤)優平に関しては柏戦からこれで3戦連続先発出場している。運動量が多く、攻守に渡ってボールを引き出す、あるいはボールを追いかける動きができている。奈良輪はJFL時代は本来のポジションである右SBでプレーしていた。今日は慣れない左SBにもかかわらず、とても良いポジショニングと、ミキッチ選手のドリブルに対して良い距離感で寄せていた。守備に関しては、ほぼパーフェクトと評価している。もちろんドゥトラや兵藤とは違うタイプの選手なので、彼らと同じプレーは要求していない。彼らとは違う自分たちの持ち味を出しているという点も、高く評価したいと思う。(後半の攻撃面についての指示は?)広島さんがちょっと下がって5-4のブロックを作るのは試合前から想定していた。ペナルティエリアの角までサイドで起点を作ろうという狙いがあった。実際に(齋藤)学が点を取ったのも左サイドで数的優位からコンビネーションを作って切り崩した結果だった。(齋藤について)試合前から彼には『ミキッチをどれだけ守備に引っ張れるかが勝負だよ』と話していた。正直、前半は全体が裏を狙う意識は良いが、動きすぎた感じもあった。後半は良い幅を取りながら相手を引っ張れたと思う。ボールを取ったときに彼が効果的に起点になるなど、後半は持ち味が出せたと思う」
DF 22 中澤 佑二
「本当は2点目を取りたいし、ウチも少ないながらも決定機はあった。でも2点目を取って変に余裕が生まれるよりも1-0で緊張感があるほうがよかったのかなという考え方もある。集中して最後まで闘っていた。内容はともかく、この勝利はデカイ。直接対決に勝つのは重要。とにかくてっちゃん(榎本)がよかった。最初、危なかった。2シャドーへのコースを切ることの意識が傾いて、自分も(佐藤)寿人の動き出しにつられた部分もある。広島はこちらの戦い方に対して、どうやってSBをつり出すか、ボランチを引っ張り出すか、といったところをすごく考えている。やっぱりうまいなと感じた」
DF 24 奈良輪 雄太
「メチャクチャ緊張した。試合前には戻りたくない(苦笑)。でも試合に入ったら集中できていたし、途中でミキッチが交代したのも気付かないくらいだった。最初のプレーでミキッチに強く行けたので、やれるなというよりは体が動くという感触はあった。自分と(中澤)佑二さんの間のところで裏をとられた石原さんのシュートが入らなかったときは、もっているな、と。こんな大一番に出られるなんて考えてもいなかった。押しつぶされそうなプレッシャーがあったけど、せっかくのチャンスなんだからいいプレーができなくても、気持ちを見せるプレーをしないといけないと思ったら体は動いた」
GK 1 榎本 哲也
「1対1の場面での間合いの詰め方はここ数試合、自分でもいい感覚でできていた。先に倒れないことだけ考えて、そうすれば相手も迷うから。あれが分岐点。あれが入っていたら広島のペースだったと思う。一瞬の隙だったけど、そのあとは高い集中で守れていた。今日はいい緊張感があった。お客さんがたくさん入っていて、試合前から応援もすごかったし、勝たなければいけないという雰囲気を作ってもらっていた。そのプレッシャーに押しつぶされることなく勝てた」
MF 27 富澤 清太郎
「相手は切り替え早くやってきて、なかなかボールを持たせてくれなかった。でも慌てずにやろうと話しながらプレーしていた。サッカーの90分というのはうまくできていて、ツケじゃないけど最初から飛ばすとどこかで運動量と集中力が落ちる。相手はスタートから気合いが入っていたのでどこかでチャンスが来ると思っていた。いつもどおり最初の5分でそれを判断して戦った結果だと思う。中盤に関しては渋いゲームだった。(齋藤)学はキレていたから、あとはシュートを枠に飛ばしてくれと思っていた。理想どおりの展開だったけど、点を取れるかどうかは前線の選手にかかっている部分もある。今日はその中で学が仕事をしたということ」
DF 13 小林 祐三
「けがや出場停止の選手のポジションにポンと入ったときの難しさはあると思うけど奈良輪も(佐藤)優平もすごくよかった。なんなら奈良輪はオレよりもよかったと思う(笑)。いまは守備のリズムができている。戦術的にやられていないし、大きな問題はないのに失点しているのが序盤だった。そのときの被決定的の数はそんなに変わらないと思う。それでも無失点で終われているのは守備のリズムがあるから。ただあと5試合もあって、最大で15ポイントにもなる。自分もチームの降格が決まってから試合をしたことがあるけど、やっぱり気楽に臨めるもの。だから直接対決がなく下位のチームが相手でも難しさはある」
MF 11 齋藤 学
「自分の形で点を取れたのは大きかったと思う。ここ最近はいいプレーができていなかった。代表でもマリノスでもなかなか思うようなプレーができていなかった。だから代表よりも、まずマリノスで結果を残していかないといけないと思っていた。相手の人数を考えながらやっていた。前半は自分の前に3人くらいいたら簡単にさばくことをやって、でも行ききれたのは自信になる。前半からシュートを打っていなかったの一回打ってみようと思った。久しぶりに点を取れたので嬉しい。気持ちよかった」
FW 18 マルキーニョス
「この試合に関してはやらなければいけないことをしっかりできたと思う。広島は上手いチームなので難しい試合になった。特にボールをつなぐことが上手で、長年同じスタイルで戦っている。でも自分たちの目的意識と戦う姿勢を持って臨んだ。こちらが守備で何もしないと、気がつくとフィニッシュに持ち込まれてしまう。だから前からプレッシャーをかけて奪いに行く姿勢だけは忘れないようにした」
MF 20 佐藤 優平
「攻撃のときは裏に抜ける動きを意識していたけど、相手の5枚のディフェンスラインに対しては難しかった。水本さんのカバーリングはマジで速い。シュンさん(中村)から『広島は特殊なチーム』と言われていた。守備のときに無理に奪いに行くと早めにクロスを上げられるというのもあったし、相手はやっぱりうまかった。後半は(齋藤)学サイドでやっていて、相手もミキッチを使っていたからこっちにあまりボールが来なかった。こういう大きな試合に出られてよかったと思う。次はヒョウくん(兵藤)が帰ってくるだろうけど、これからも切磋琢磨してやっていきたい」