「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「誰か欠けても全体でカバーできたのは今日の収穫」(ドゥトラ)・「去年1年間苦しんだことが生きている」(兵藤)+中町・藤田・冨澤他 甲府戦後インタビュー(2,030文字)

【players voice MF 7 兵藤 慎剛】

――先制点を振り返って

「毎年あの位置は狙っているけど、なかなかボールと合わない。でもあの場面は(兵藤)学と目が合って、いいボールをくれた。自分はそこに走っただけで学が0.8点くらい(笑)。流れがいいときはああやってボールが来て、点を取れる」

――攻撃陣が好調な理由は?

「前線の選手が点を取らないとチームは勝てない。今日はマルキが出られなかったけど、ここまでシュンさん(中村)や学、自分が点を取れているのはいいこと。あとはシュンさんが前線でタメや時間を作ってくれている。そこに自然とボールが集まって、ボールを取られない。だからチーム全体がいい状態で回っているし、自分と学は前でプレーできている。ボールを持ったときも周りが動き出しているからシュンさんもいろいろできるし、お互いに生かし合うことができている」

――守備でも2試合連続完封だが

「中盤ではカンペーさん(富澤)やマチ(中町)のところでしっかりボールを奪えているし、空中戦でも後ろがしっかりはね返してくれる。点を取って勝つと前の選手が目立つけど、後ろの選手がしっかりやってくれているからでもある。(中澤)佑二さん、ファビオ、カンペーさん、マチが好調の要因だと思う」

――あえて課題を挙げるならば?

「これからは相手がウチのやり方を研究してきて、プレスをかわしてボールを蹴ってくるかもしれない。そういうときの対応を考えておかないといけない。逆に後ろでブロックを作って相手にやらせないことも必要。去年1年間苦しんだことが生きている」

 

【試合を終えて】
樋口 靖洋 監督

「ナビスコカップもこれで連勝ということでいいスタートを切れた。ここまでの甲府さんのゲームを分析すると守備が堅いというか強く、粘り強く対応してくる。どの試合も自分たちの時間帯を作ることができていた。でも試合が始まると自分たちがボールに激しく行くことができて、ウチ本来の守備ができていた。奪ってからもボールをよく動かせていた。でも欲を言えば相手のディフェンスラインをひっくり返すようなボールを中盤からもっと出したかった。ただ全体的には内容も評価できるものだった。トップの位置に入った藤田も裏へのランニングで相手のラインを下げることができていた。それによって兵藤や(齋藤)学が前を向いてボールを持つことができた。ゴール前へいい形で入っていく場面も二度くらいあったし、あれが合えばゴールを量産するだろうと思う」

DF 22 中澤 佑二

「ま、いっかと思っているプレーヤーがいないのは大きい。それと相手があまり走らないでボールを回してくれているのはウチにしてみれば標的になる。今日のグラウンドはあまりボールが走らない感じで、そうなると今度は縦にボールを入れてくる。そこのケアをしっかりやっておけば問題ない。ファビオは身体能力が高いし、足も速い。僕の価値観でのポジショニングと違うところもあるけど、それは彼のやり方もあるし、それを補える身体能力がある」

FW 19 藤田 祥史

「自分は全然ダメ。とりあえず最低限というか、チームが勝てたのは良かった。前でもっと起点になることができればリズムも出たと思うけど、前半はちょっとボールを失いすぎた。ヘディングは先に触ることを意識していたけど、もうちょっと叩いて決めたかった。そのちょっとが小さいようで大きい。それもポストでリズムが出ていれば決められたかもしれない。外からのボールに対してはもっと要求していきたい。中の枚数を増やせば点も入る。次もチャンスをもらえたら頑張りたい」

MF 27 富澤 清太郎

「前半は自信を持ってプレーをして、後半は絶対に流れが来るといういうゲームプランをイメージしていた。実際にそれが確実なものになっている。何よりも先に点を取れるのが大きい。あとはもう少し点を取ること。ほとんど相手のコートでサッカーをしていて、目立ったミスもほとんどなかった。これをベースにもっと高いレベルでサッカーをやっていきたい」

DF 5 ドゥトラ

「今日はどちらかといえば落ち着いたゲームだった。そんなに運動量が必要なゲームでもなかった。守備はしっかりマークできたし、攻撃も全体的に良かったと思う。ファビオも1試合目のレベルを保てていた。それとマルキはもちろん必要な選手だけど、今日は藤田が穴を埋めるプレーをしていた。誰か一人欠けてもチーム全体でカバーできたのは今日の試合の収穫だと思う」

MF 8 中町 公祐

「セットプレーだったけど、中へいいボールを入れてくれれば決められる自信はある。次は流れの中から決めたい。今年は得点も狙っていて、公式戦5試合目での初ゴールはちょっと遅いけど、これからもある程度このペースで点を取っていきたい。得点が入った場面以外にも横からのボールでチャンスを作れたし、藤田くんのいいところも出ていた。マルキがいなくても攻撃の形を作れていた」

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