【新東京書簡】第四十六信『お引越し』海江田

味スタと青い空。こっちだって愛着はあるんだよ。ここでは本当にいろいろなことがあって、これからもあるだろうから。
第四十六信 お引越し
■こちとら旧時代の人間
返信が遅くなって、申し訳ない。9月初旬に引っ越しがあってさ。妻が在宅で仕事をすることが増え、手狭に感じるようになったのと、ここらでいっちょ環境を変えてみよっかと軽い気持ちで13年暮らしたアパートを出たんだ。
転居先は同じ立川市の徒歩15分の場所だし、大半の荷造りは業者に任せるプランだったからちょちょいで済むと考えていたんだけど、これが思ったより大変だった。
やはり、13年間の蓄積は相当なもので、物がアホみたいに多い。デジタルネイティブの世代は物を持たないんだってね。本は電子書籍で、音楽はダウンロードかストリーミング。こちとら旧時代の人間だから、本やCDは現物を持っておきたくなる。
CDの意匠を凝らしたブックレットには手で触ってじっくり眺めたいし、ヘタすると本の帯なんかもちょっと目を惹くやつだと捨てられないことがある。編集者がいかに目立つかアイデアを練って製作したか、その裏側が見えるような気がして。こういうこと言ってるの、古臭くてダメだね。こないだなんて、近頃はCDをフィジカル版って言うらしいと聞いて、度肝を抜かれたよ。「物理的、物質的」を意味するフィジカルリリースとデジタルリリース。う~ん、ついていけん!
ぐだぐだ言ってても始まらないから、断捨離は試みた。一部の本を処分するために、ブラインドサッカーの『古本パワープロジェクト』を活用。これ、機会があったら後藤さんにもおすすめですよ。電話したらぱぱっと時間を指定できて、宅急便の人が荷物を引き取りにきてくれる。今回、ダンボール5箱分の古本を出しましたね。
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