「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料掲載】鳥栖U18を撃破し、大宮U18に惜敗。グループステージ突破は26日新潟U18戦の結果次第。【第47回日本クラブユースサッカー選手権 U-18 2023 レポート】(23.7.24)

 

最新の結果はこちら
https://www.jfa.jp/match/club_youth_u18_2023/schedule_result/

 

▼大宮に悔しい負け

23日のグループステージ初戦でプレミアリーグWESTの雄、2020年大会の覇者、サガン鳥栖U18を1対0で撃破した栃木SC U18は24日、2戦目となるプレミアリーグEASTの強豪、大宮アルディージャU18戦を戦ったが、0対1で敗れた。この結果、グループステージ突破の可否は26日のアルビレックス新潟U18戦の結果次第となった。

グループの4チームすべてにグループステージ突破の可能性が残る大混戦。栃木SCはグループステージ最終戦の新潟に勝つことでノックアウトステージへと望みを繋げたい。

23日に鳥栖を撃破した衝撃が残るまま、翌日に迎えた大宮戦。キックオフは8時45分。真夏の炎天下を避け、気温が上昇する前に試合を消化したい狙いがあるようだが、選手たちは2日連続でのプレーとなり大変な状況ではあった(試合時間はグループステージは70分、ノックアウトステージは80分)。

栃木は開始早々から揺るぎないチームコンセプトである球際や攻守の切り替えでタイトに対応し、大宮の前進を拒んでいく。17分には相手ゴール前で奪ったFKから舘野勇輝が頭で合わせたがわずか枠を外れた。

栃木は左サイドのスピードスター、佐藤佑磨にボールを集めてサイドから攻略を図ろうとするが、佐藤が「対策されていた」と振り返るとおり、大宮守備陣は佐藤にボールが入るや否や、素早いスライドとボールへのアプローチで前進を拒んだ。大宮は栃木の縦に速い攻撃を相当に警戒していた。

一進一退で迎えた49分、大宮のエース種田陽に右サイドを突破され、右角に突き刺すファインゴールを決められてしまう。この10番は相当にうまかった。

ビハインドになった栃木は前へ重心を傾け、球際では粘り強く相手を強襲し、マイボールになれば何度も前へ追い越すアクションから大宮ゴールに迫っていく。後半の飲水タイムには誰もが「ここからだぞ!」と声を掛け合い、締まった表情でピッチに戻っていく選手たち。

終了間際には、トップチームの天皇杯秋田戦にも出場した揚石琉生の左クロスに舘野が飛び込んでネットを揺らしたが、オフサイドの判定。さらにリスタートからチャンスを掴んだが、ゴール前にこぼれたボールを押し込めず、同点のチャンスを逸した。

そのまま試合はタイムアップ。決定機の数では栃木が上回った印象だが勝負は大宮が持っていった。

Aグループは大宮が勝点6、鳥栖と栃木が勝点3で並び、新潟が勝点ゼロで最下位。だが全チームにグループステージ突破の可能性が残される混戦となった。

栃木はクラブユースサッカー選手権(U-18)でまだグループステージを突破したことがないが、2戦を消化した時点で十分に突破できる可能性を残している。佐藤は「関東予選で横浜FC(プレミアリーグEAST)と戦ったときは歯が立たない感覚があったが、全国の舞台に来て、プレミア勢にも十分やれているという手応えはある。だからこそ、グループステージで終わるわけにはいかない」と言葉に力を込める。

只木章広監督が率いる現チームは、昨年、栃木SC U-18を史上初めて関東プリンスリーグ2部へ昇格させたメンバーが主力を占めており、クラブの歴史を塗り替えてきた新世代。現在中断中の関東プリンスリーグ2部では桐光学園や桐蔭学園といった強豪を抑えて全10チーム中、堂々首位を走る力のあるチームだ。そして、関東プリンスリーグ2部でも、この大宮戦のような悔しい負けからリバウンドメンタリティを発揮し、どんどん強くなってきたチームである。

この世代がやれずしてどの世代がやる――。再びクラブの歴史を塗り替えられるか。チームは明日25日の休息日で回復に努め、明後日26日の新潟戦に挑む。

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ