「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

魂は細部に宿る。詰め切れずに前進なし。【J2第5節 いわてグルージャ盛岡戦 レビュー】(22.3.21)

2022明治安田生命J2リーグ第5節

2022年3月20日14時キックオフ 北上総合運動公園北上陸上競技場

入場者数 1,572人

いわてグルージャ盛岡 1-1 栃木SC

(前半0-1、後半1-0)

得点者:28分 瀬沼優司(栃木)、88分 牟田雄祐(岩手)

天候 曇
気温 7℃
湿度 20
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 35 鈴木 海音
DF 16 カルロス グティエレス
DF 18 大森 渚生
DF 30 福森 健太
MF 10 森 俊貴
MF 4 佐藤 祥
MF 7 西谷 優希
MF 21 トカチ
FW 38 小堀 空
FW 9 瀬沼 優司
控えメンバー
GK 41 藤田 和輝
DF 20 三國 ケネディエブス
DF 3 黒﨑 隼人
MF 14 谷内田 哲平
MF 33 磯村 亮太
FW 29 矢野 貴章
FW 32 宮崎 鴻

74分 トカチ→谷内田
74分 小堀→矢野
84分 福森→三國
84分 森→黒﨑
90分 瀬沼→宮崎

 

▼割り切った徹底した戦いは95分成功も…

瀬沼の言葉がすべてだろう。

「ピッチのコンディションが悪かったので、みんなで割り切って、今日の試合を勝つために、本来ならば蹴りたくないところで蹴ったり、勝つために徹底してプレーできていたと思います。前半も後半もやることは変えていなくて、みんな隙も作らないように集中していたし、協力しながら臨んだけれどこの結果になってしまいました。改善すべきを改善して、こういうゲームを勝っていけるように成長したいし、みんなで成長する、それだけだと思います」

前日まで降り続けた雪の影響でピッチコンディションは相当にぬかるみ、先週準備してきたビルドアップなどはおよそ望めない状況だった。

キャプテンの西谷の言葉を借りれば「前後半を通じて自陣ではシンプルに背後へ入れる」ことを徹底した90分。ピッチのエリアによっては問題なくボールが転がる場所もあったようで、状況に応じて繋ぎながら確実に前進できたかもしれず、それによって確実な攻撃回を確保しながら追加点、あるいは試合終盤に押し込まれる時間をも削ぎ落しながら、確実に勝点3を手中にする可能性を高められたのかもしれない。

ただ、それは結果論に思える。あのまま1対0で逃げ切ってしまえば、難しいピッチコンディションの中で最後は苦しんだが一丸となって結果を取れたから御の字だ、と総括したに違いないのだから。

勝つために割り切り、意思統一して進められたゲームは、9割5分悪くなかった。

それでも、最後に勝点を落としてしまう理由がある。

追加点を奪い切るチャンスを逃し、さらに大宮戦と同様、リスタートの流れから最後の最後に隙をみせた。映像を見返しても隙は見える。改善なくして前進はできない。魂は細部に宿り、細部を詰められなければ勝点を落とす。フットボールの普遍の常識だ。

 

3分、小堀がゴール前に舞い上がったセカンドボールに頭を突き出して先に触ったが、ボールは惜しくも枠外へ。

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