【この人を見よ!】vol.34 生粋の守り人 ~GK21 上福元直人〈2〉~(19.4.10)
この人の活躍がなければ、いま頃どうなっていたか背筋が寒くなる。昨季から一度もポジションを明け渡すことなく、正ゴールキーパーを務める上福元直人。開幕からファインセーブを連発し、苦しい戦いの続く東京ヴェルディを支えてきた。
チームは毎試合のように押し込まれ、数多くのシュートを浴びるが、そんなことは問題にしない。これまで、慢心をできるだけ遠ざけ、常に上を目指すことで着実に力をつけてきた。むしろ、逆境こそが上福元のエネルギーだ。
関連記事:vol.27 チームを変える可能性 ~GK21 上福元直人~(18.3.14)
■気づいたら、ゴールマウスにいた
あまり簡単に人を信じるなよ――。
高校生の上福元直人に、そんな言葉を投げかけた人物がいた。当時、市立船橋高校で指導にあたっていた曽我光利GKコーチである。
「面と向かってではなく、僕の横で何気なく放たれた言葉なんです。どんな意味を込めて言ってくれたのか。サッカーというより、人生そのものを指しての言葉なのか。その頃の僕にはよくわかりませんでした。ただ、プロになってからも不思議と折に触れて思い出されるんですよね。曽我さんの、ぼそっと言ったひと言が」
上福元はふたりの姉と兄を持つ4人兄弟の末っ子として育った。3つ上の兄、俊哉はFリーグのフウガドールすみだに所属するフットサルプレーヤー(ポジションはピヴォ=FW)だ。
小1のとき、俊哉の後ろにくっついて北貝塚フットボールクラブでボールに触れ、気づいたときにはゴールマウスに立っていた。
(残り 2252文字/全文: 2883文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ