【新東京書簡】第三十四信『ホーム・スウィート・ホーム』海江田(18.2.28)
第三十四信 ホーム・スウィート・ホーム
■脇道にそれるベテラン
今季の日程が発表されて、開幕までの時期は楽しいね。東京ヴェルディのリーグ戦42試合を幹に、どうやって枝葉を伸ばせるか、一年を通したプランを練る。脇道に逸れる、寄り道をすることに関しては年季が入っているからさ。ましてJ2の場合は広範囲に散らばっているため、さまざまなパターンの計画が可能だ。
で、一番楽しみになったのが、5月18日、J2第18節のファジアーノ岡山戦を軸とする2泊3日の瀬戸内取材旅行。5月20日にJFLのFC今治のホームゲームがあり、それを絡めることにした。今治には、かつてヴェルディに所属した楠美圭史と期限付き移籍中の中野雅臣がいる。以前取材でお世話になった矢野将文社長にもしばらくご無沙汰だ。
そんなふうに訪ね歩くうち、昨年、アウェー水戸戦に引っかけて話を聞きにいき、今季9年ぶりの復帰となった林陵平みたいなケースが出てくるから面白い。
おれや後藤さんみたいに、特定のクラブに軸足を置くスタイルで仕事をし、かつ自前のメディアを持つ強みって、ほかでは相手にされない小さな物語を見捨てずにいられることだよ。
開幕直前、「クラブの秩序風紀を乱す行為」があったとして契約解除となった郡大夢。けじめをつけなければいけない事情があったのだろうクラブでは、話題にするのもタブーといった空気だが、こっちは外野だから気にすることはない。どこかでボールを蹴り始めたら、あるいは違う道を歩み始めたとしても、ドアをノックすることはできる。おれの考える、この仕事の唯一の責任の取り方だ。
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