【無料記事】【練習レポート】次こそは自分を(17.9.29)
■もっと守備力を上げないと
結局、名古屋戦は交代カードを1枚余らしたまま終了。最後まで林に出番は訪れなかった。
「負けていたので、途中で自分を出してくれないかなと思ってアップしていたんですけどね。ふたり代わった時点で、どうやらもう動きはなさそうだという雰囲気でした」
点が必要な状況では攻撃的な選手の投入が中心になるが、たとえば林を左サイドバックに入れ、絶好調男の安西幸輝を前線に押し出すという選択肢もあったはずだ。ロティーナ監督の信頼感がまだそこまで高まっていない、その表れと見ることができる。
「今回、そのあたりの不足は感じました。横浜FC戦のあとに指摘されたのは、オーバーラップを仕掛けるタイミングとロングボールのカバーリング。もっと守備力を上げないと。守備に不安のある選手は、最終ラインのポジションを信頼して任せてもらえない」
もともと地道に力をつけ、ここまで上がってきた選手だ。目立たない場所に身を置き、いつか見てろよと上を目指す立場には慣れている。
「ユースの頃からそうですね。同期の(井上)潮音や後輩の(渡辺)皓太は早い時期からバンバン試合に出て、活躍していました。一方、いつも自分はふたりに置いていかれ、あとになって追いつく。高2までは使われたり使われなかったりで、レギュラーになったのは高3から。すっかり経験済みですから、焦らずにやっていきます」
そう言って林は笑った。
貴重な左利きのサイドアタッカーだ。そのアドバンテージはキャリアを重ねるごとに生きてくるに違いない。今回、蚊帳の外に置かれた悔しさを晴らすべく、次のチャンスを虎視眈々と狙う。
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