「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【監督・選手コメント】J2-35[H] ギラヴァンツ北九州戦に向けて ~冨樫監督、二川、高木善、安西~(2016/10/06)

DF2安西幸輝
――チャンス到来の気配です。
「まだわかりませんけど、使ってもらえたら自分の良さを出したい。ガンガン縦に仕掛けるプレーを」

――スタメンから外れ、日々のトレーニングで意識を強めていたことは?
「プロに入り、いつかこういう時期も来るだろうとわかっていました。気持ちの面の向上、技術の向上。試合に出たときを想定し、いつ声がかかってもいいように準備していました」

――安西選手の持ち味である積極果敢なオーバーラップ。楽しみにしているサポーターはきっと多いでしょう。
「外からどう攻撃を仕掛けるか。町田戦もクロスの本数自体は多かった。ただ、単純に放り込むだけではなかなか崩せない。ワンツーで中に入っていく動きを増やしたいですね」

――北九州戦で、マッチアップするとしたら……。
「おそらく、本山(雅志)さん」

――あの人、バカ巧いですよね。ボールタッチが柔らかくて。
「どんどん走り回って、疲れさせますよ。動きの量と質で、相手の巧さに対抗できれば。とにかく、自分のプレーをピッチで表現すること。そうすることが、結果的にチームに貢献する近道になると思います」

冨樫剛一監督
――北九州はここ2戦、京都サンガF.C.とコンサドーレ札幌にスコアレスドロー。守備の安定度が高まっていると見ていいのでしょうか?
「それはどうだろう。札幌戦は前半に3回危ない場面があった。結果、バーに救われるなどして無失点でしたが、あそこで決められていたらどんな展開になったか」

――堅守のイメージからは程遠い?
「22位という順位が示すとおり、相手にチャンスはつくられているチーム。そこは特に変わったという印象はないですね。でも、柱谷(幸一監督)さんはベンチでドーンと構えている。豊富なキャリアの成せる業なんでしょう」

――降格危機の北九州は、なりふり構わず勝点3を獲りに来るのでは?
「北九州は淡々とサッカーをしますよ。全体にストロングを散りばめつつ、淡々とやって90分のなかでチャンスを形にしようとしてくる。その姿勢はゲームを通して一貫しています。ボールを動かすのも巧いチームだから、簡単に放り込んでくることもない」

――北九州とは勝点8差です。ここは一気に突き放しておきたいのでは?
「残り8試合、どうやって勝点を伸ばしていけるか。もちろん、勝つための準備をしています。勝てるメンバーを選ぶのが自分の仕事。前節、落としたあとのホームゲームですから、なおさら勝ちにはこだわりたい」

――向こうにはヴェルディキラーの原一樹選手がいます。前回の対戦ではまたもやられ、2ゴールを叩き込まれました。今回も再現されたら、みんなひっくり返っちゃいますよ。
「まず、原がスタートから出てくるかどうか。前節はロドリゴと小松塁の2トップでした。ヴェルディ戦の相性の良さを重視すれば、先発起用もありえるといったところかな。彼は上手にさぼるんですよ。それで、こちらがボールウォッチャーになった瞬間を逃さず、ゴールを奪う。よって、ディフェンスは一瞬も気を抜けない。周囲の状況が一番見えているゴールキーパーを中心に、複数の選手で管理していく試みが必要」

――つくづく、いやな選手ですね。
「いやということなら、ロドリゴだっていやだよ。小松もいやだ。当然、原もいや。おれは子どもか!」

――仮に失点したとしても、心理的ダメージを最小限に、あたふたすることなくプレーを続けられればいいのですが。
「そのへんは相手関係よりも、自分たちの抱えている問題が大きいと感じます。失点したところで、逆転できるルートはきちんと見えていて、慌てることは少しもないのに」

――軌道修正がスムーズに行えない。
「チームが安定を失いかけたとき、自分がいいマネジメントをできていない。指示をうまく伝えられていない。こないだの町田戦も思いましたよ。自分じゃなければ、違う結果を導き出せたのではないかと。悔いとして深く残り、いまこうして話している間もずっと思っています」

――解決へと向かう道筋は?
「トレーニングでの成功体験をひとつずつ増やしていくこと。切り替え、再び立ち向かっていくために、どうプレーすべきなのか。ミーティングで選手に見せる映像は、村田(達哉フィジカルコーチ)が工夫して編集してくれています。最後に、欧州リーグから切り取ったシーンを付け加え、いいイメージを植えつけるなどしてね。セリエAの映像の多さが、ちょっとどうかという意見もありますが(村田コーチはカルチョ狂)。こういった地道な取り組みを続け、変化を促していくつもりです」

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