「ゼルビアTimes」郡司聡

黒田剛監督「首位であり、昇格を狙うチーム特有の難しさに直面している」+篠田善之監督、奥山政幸、井上詩音【ヴァンフォーレ甲府戦/試合後会見コメント+α】

■明治安田生命J2リーグ第38節
10月8日(日)14:00キックオフ
町田GIONスタジアム/8,326人
FC町田ゼルビア 3-3 ヴァンフォーレ甲府
【得点者】町田/37分 藤尾翔太、41分 宇野禅斗、90+7分 宇野禅斗 甲府/26分 飯島陸、82分 関口正大、90+2分 ジェトゥリオ

試合中の黒田剛監督。シーソーゲームの総評は?

 

○黒田剛監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「立ち上がりからそんなに悪くはなかったなと思いますが、3-3になった原因を探らないといけないなとも思います。結果的には17本のシュートを放ち、CKも多かったので、ただただ3点目を早く取りたかったです。失点に関しては長いボールが入ってきた時の対応、セカンドボールの対応、そういった場面にやや手こずった結果での失点でしたから、しっかりと改善していく必要があります。内容としてはなぜ3-3になるのかと思いますが、総合的には良かったのかなと思っています。首位であり、昇格を狙うチーム特有の難しさに直面しているのかなと。3試合連続での試練となりましたが、ここで一つ殻を破らないと、昇格や優勝には近づかないのかなと思います。われわれには次の秋田戦も含めて、5試合が残っています。同点に追いつけたことは勝ち点1を積み上げたことになりますから、連敗しなかったことをポジティブに捉えながら、周りの状況に左右されずに勝ち点3を積み上げられる試合に向けて、気持ちを切り替えて臨みます」

 

–前節のいわき戦からメンバーも大きく代えて、システムも3バックに変えていました。その意図は?
「ビルドアップが上手なチームを相手に、規制を掛けることで相手の判断する機会を奪ったり、早い段階でボールを奪えることが自分たちのリズムにつながるだろうと意図していました。いわき戦に関しても、劣勢になった時に中盤でフリーな選手をかなり作ってしまいましたし、噛み合わせも悪かったので、FWの下のポジションでセカンドボールを拾えなかったという反省点を踏まえて、セカンドボールを拾うことや相手の攻撃の芽を摘む状況を分かりやすく作ろうとした形です。またメンバーも多く代わりましたが、居残り練習で頑張っていた選手たちもいますし、そういう選手たちが歯がゆい思いをした中でも頑張ることでチャンスをつかみ、そのエネルギーを前面に押し出し、チーム全員のパワーが集結した時にはやってくれるだろうという狙いがコーチングスタッフの中でもあった結果です。最終的には決定打の多さからすると、もっとゴールを決めないといけない試合でした。決して悪いゲームではなかったですが、勝ち点3につなげられないことが課題ですし、首位、優勝を狙うチームが難しいタイミングに来ているのかなとも思います」

 

–2ゴールを決めた宇野禅斗選手の活躍はいかがでしょうか。
「松井蓮之の出来もこれまで悪くはなかったですし、下田北斗もいますので、彼らをどう使っていくか。バランスの難しさはありますが、禅斗はボールを奪うことに長けているので、少し前にポジションを取らせながら、前の方でプレーする形になりました。課題を与えると彼の良さも出るため、そういった形にしました。いわき戦でファウルが多くなっていた(松井)蓮之と競争をさせて、いろいろな相乗効果を生みながら戦っていかなければなりません。今回のように、(宇野)禅斗の調子が良ければ彼も今後は使われるでしょうし、悪くはなかったと思います。同点ゴールに関しては、さすがだなという印象です。下田がうまくバランスを取ってくれたことで、禅斗が一つ前のポジションでプレーできましたし、決して悪くはなかったなという印象です」

 

–前からマンツーマン気味にハメに行くよりも、比較的行くべき場面と行かない場面のメリハリが効いていた印象です。
「相手のSBが低いポジションを取って、前に出てくる形を作ろうとしてくるだろうと思っていたので、あまり必要以上に追い掛けないことはチーム内で共有していました。またFWと中盤と最終ラインの間でスペースができると、そこで相手にスイッチを入れられたり、カウンターに持ち込まれることにつながるため、無理して行かないように、という話はしていました。やれたこともやれなかったこともありますし、久しぶりのチャレンジだったため、いくつかの不具合も生じました。秋田戦に向けては今日の反省点を活かし、3バックや4バックを模索しながら準備を進めていきたいと思います」

 

–右のCBに奥山政幸選手を起用した意図は?
「純粋なカバーリング能力を買った形です。配球やFK、ロングスローに関しては、鈴木の方が使い勝手は良いため、2人とも起用したい選手にはなりますが、前からプレスを掛けるということは、背後に対するリスクマネジメントが必要です。またCBをカバーリングする状況や、相手との走り合いになったとしても、相手を上回るために起用しました」

 

–残り試合に向けたチームのムード作りで黒田監督が意識していることは?
「昨季は15位のチームですから、決して下を向くことなく、選手たちが首位というこの状況をポジティブに楽しめるようにやっています。ただ最近は失点も増えているし、目標に向かって、課題であることを詰め切れていません。若干甘いことも出てきているので、改善させながら進んでいますが、プレッシャーを掛け過ぎずに、思う存分、後悔がなくできるように、そんな言葉掛けをしています」

 

○篠田善之監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「引き分けという結果に終わったため、悔しい思いでいます。先制点を決めて、うまくゲームをコントロールしながら試合を進めていましたが、相手の長いボールや町田さんとのセカンドボールの拾い合いを相手に制されたことで試合をひっくり返されたのは反省しなければなりません。ただ選手たちは持ち堪え、後半に向けて準備を整えて臨み、追いつくことができましたし、一度勝ち越したことは評価したいと思います。われわれにとっては勝ち点3が欲しい試合でしたが、選手たちはプレッシャーがある中で戦ってくれました。足りないことはありますが、選手たちは良くやってくれました」

 

–交代選手の活躍がありました。チームの総力で奪ったゴールだったのでは。

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