「ゼルビアTimes」郡司聡

黒田剛監督「今日のような全員サッカーを表現できれば、結果はついてくる」+ファビオ・カリーレ監督、カイオ・セザール、池田樹雷人、安井拓也【V・ファーレン長崎戦/試合後会見コメント+α】

■明治安田生命J2リーグ第36節
9月23日(祝・土)17:00キックオフ
トランスコスモススタジアム長崎/13,893人
V・ファーレン長崎 0-6 FC町田ゼルビア
【得点者】町田/36分 ミッチェル・デューク、45+6分 鈴木準弥、73分 藤尾 翔太、78分 松井蓮之、85分 下田北斗、88分 安井拓也

大量6ゴール。最後は安井拓也が締めた

 

○黒田剛監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「ここ3試合で無得点、そしてなかなか勝ち点3を取れない歯がゆい3週間を過ごしてきましたが、課題は自分たちにあると、強い町田をもう一度取り戻すということが今日のテーマでした。エリキの離脱以降、山形戦では5点を取りましたが、エリキの離脱による難しさを痛感する状況でした。ただ今日のように全員サッカーを表現できれば、結果はついてくるし、前向きに勝利を信じて走ればこういう結果を出せると、町田のサッカーを復活させられたことをうれしく思います。次節以降もアグレッシブなサッカーを実践できるようにしていきたいです。またこれは個人的な話になりますが、歯がゆい時期が続いた中で、この長崎の地で試合ができるということは、2年前にお亡くなりになられた私の心の師匠である小嶺忠敏先生から「高体連の代表として奮起しろ」と激励のメッセージをいただいたような気がしています。そんな長崎でのアウェイゲームとなりました」

 

–先発メンバーに関して、ボランチの人選は前節の藤枝戦から代えずに、センターバックとサイドバックをそれぞれ一人ずつ入れ替えました。その意図は?
「安井(拓也)を中盤の中央に起用することでゲームをコントロールできる余裕をもたせることを意図していました。また安井はシュートも上手ですし、ミッチェル・デュークや藤尾翔太、平河悠ら前線の選手が絡んだ際に安井のところに良いボールが来るだろうと読んでいました。また藤枝戦では安井のところにセカンドボールがこぼれてきて、それを拾えていたのは、彼がランニングを繰り返した結果でしたし、それを生かそうと続けて起用しました。前回対戦の長崎戦は藤原優大を先発で起用しましたが、長崎さんは前回対戦よりも身長の高い選手が増えており、GKを含めれば、185cmオーバーの選手が7人もいる状況を踏まえて、相手の高さに神経を使った結果、似たような身長である(池田)樹雷人を起用しました。またセカンドボールをいかにして拾うかもポイントにした結果の人選でしたし、それがこうして結果につながりました。

われわれにとっては幸運な形で早い時間帯に相手に退場者が出たために優位に立ちましたし、11対11の状況であれば、どうなっていたか分かりませんが、立ち上がりから前向きにプレーした結果、相手のファウルがありました。長崎さんには気の毒なことでしたが、われわれにとっては退場者が出たことは、明るい材料になりました。翁長聖の先発起用に関しては、ロングスローを投げられることもありますし、決して前節先発した奥山(政幸)が悪かったわけではなく、いろいろな相乗効果を図るという意図もありました。また守備も攻撃も含めて、前に沼田駿也を起用することで翁長の左足からのフィードやスルーパスが光るだろうと思っていました。奥山政幸は守備力に定評がありますし、選手の特長を踏まえて、時間ごとにうまく使い分けようと、今回の先発メンバーの人選になりました」

 

–最初の交代となった2枚代えの意図は?
「体力的な面を考慮した結果の交代ですし、あらためて守備力を見直したいと、翁長も単純なミスが増えていたため、奥山政幸を起用しました。またキャプテンとして後ろから再度締めることも意図していました。さらに沼田も疲弊していましたし、相手のカウンターに対して、帰陣することでかなり体力を消耗していたために代えました。なおバスケス・バイロンは突破力やボール保持に長けている選手であるため、一度全体がラインを上げるためにも、バイロンを配置することは有効だろうと、途中交代で起用しました」

 

–3試合勝利なしという状況の中で、どんな言葉を掛けて選手たちを送り出したのでしょうか。
「ありがたいことにわれわれのクラブから他のクラブに行った選手や他クラブから町田に来た選手たちが混在する中で、そんな選手たちのメッセージを拾い上げる作業から準備を始めてきました。外から見た町田はどうだったのか。中に入って感じている町田はどうなのか。そのメッセージを拾い上げた中で、勝ち続けていた頃の町田ではないんじゃないかという結論が出ました。実際に中に入ってみた選手は町田の強さを実感していたようですが、それが今は欠落しているのではないかという指摘がありました。

また他クラブへ移籍した選手たちの話では、町田はとても勝負強く、勝利にこだわり、練習から強度を持って取り組んでいる。それが町田の本当の強さだと、他クラブに移籍した選手たちがそう感じていたようなので、良かった時の町田に戻そう。その時に何をやっていたのか。そのことに言及した上で、もう一度気持ちを上げることにより、選手たちが闘志を持って戦ってくれるだろうと考えていました。そういったことにこだわった結果がこうした成果をもたらしました。この感触をベースとして戦い続けることで必ず光が見えてくると思うので、ぜひこれからも続けていきたいです」

 

○ファビオ・カリーレ監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「こういう結果の時はあまり話すことがないですね。選手たちには「顔を上げるように」と伝えましたし、プレーオフ圏内を維持できるのか。もし維持できなくても、近い位置にいるとは思うので、残り6試合を必死に戦わないといけないと思います」

 

–前半に退場者を出したことが大きな転機だったと思いますが、そこからのゲームプランについては?
「まず一人少ない状況でやれるシステムは限られている中で、[4-4-1]もしくは[4-3-2]を考えました。ただ退場者を出してからすぐに相手の特長であるクロスとヘディングでやられてしまいました。あとは今回、相手の特長である切り替えの部分とセカンドボール争い、そして自分たちが保持する状況での相手のプレスに対して、どうにかできなかったことが勝敗を分けたんじゃないかなと思います」

 

–ホームで悪夢のような結果になってしまいましたが、次に向けて最も重要なことは何だと考えるのか。また、選手たちにはどのようなことを伝えたのでしょうか。
「こういう大敗をするとなかなか「次」と考えられないと思うので、まず選手たちには顔を上げることを伝えました。今日の試合もみんなは最後まで戦ったと思いますし、オフ明けに冷静な頭で映像を見ながら分析して、話し合いの場を持ちたいなと思います」

 

–今津佑太選手やほかの選手の交代は負傷によるものだったのでしょうか。
「今津に関してはハーフタイムの時に後半は難しいという(メディカルスタッフからの)話だったので、交代しました。岡野洵に関しては頭を打っていて、何とか一度はチャレンジしようとしてくれたのですが、無理だということで交代させました。事実上、CBを2人失った形でした」

 

–次節は中村慶太選手が不在の中での試合になります。
「慶太に関しては中盤でゲームを作れる選手だと思います。彼の代わりを考えたら名倉巧かなと思いますが、まずは相手のことをしっかりと見て分析しないといけません」

 

–今日のゲームでは大勢のサポーターが声援を送りました。どんな印象を持ちましたか。

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