「感謝と夢を抱いてJ1へ。松田佳大選手と鵜木郁哉選手がラストメッセージ」【HHレポート】※無料記事
松田佳大選手が水戸市鯉淵町の鯉淵小学校で12月11日、夢をテーマにした「Make Future Project」を実施。
水戸ホーリーホックでの最後の地域連携活動で小学6年生44名とレクリエーションで交流し、夢を持つことの大切さや自身の夢についてメッセージを送りました。
まず体育館ではヘディングやキックのデモンストレーションをしてプロの技を披露。
そして、鬼が出したお題にタッチしていく物鬼が行われました。
「面白い人」「勉強できる人」「黒い物」などお題が出されると、児童らは直ぐ様、対象のものにタッチ。
最後は「佳大先生」と叫ばれると、児童らが中央にいた松田選手を取り囲んで手を伸ばしていました。
次は互いの陣地にあるコーンを戦略的に倒すゲームに挑戦。
男女がそれぞれ2チームに分かれ、フォーメーションを組んで、コーンの周囲を守備したり、同時にせめてディフェンスのターゲットを拡散させたりする頭脳プレーに取り組みました。
このゲームで重要なのは、コミュニケーションとチームワーク。
松田選手は「みんな仲良く協力して自分から行動すること。そういうことを日々心がけたら、より一層、仲が深まると思います」とアドバイスすると、各チームは作戦会議を開いて、攻守のプランを練り上げてチャレンジしていました。
その後は校舎に移動して、松田選手の講演会を実施。
普及コーチ兼ホームタウン担当の柏葉涼太さんとの対話形式で行われ、サッカーを始めたきっかけからプロになるまでの紆余曲折を中心に語りました。
特に掘り下げられたのは、中学時代に突き当たった大きな壁。
セレッソ大阪の下部組織に在籍していましたが、同世代は年代別の日本代表選手ばかりで全く試合に出られない3年間を過ごし、「サッカーが楽しくなくてやめたかった」と挫折しかけた過去を吐露していました。
そんな松田選手が這い上がるきっかけとなったのは母親の涙。
「やめたいと家族に相談したら、『やめてもいいと思うよ』『頑張ったね』といつもお弁当を作ってくれたり、送り迎えをしてくれていた母が泣いたんです。それを見て、『もう一度頑張ろう』『変わろう』『サッカーをやり遂げたい』という気持ちに変わったんです」
それから松田選手は京都橘高校の3年間で、セレッソ時代のライバルとの差を埋めるため、普段の食事から自主練習まで一新。
弱点を克服し、ライバルに打ち勝つ未来を見据えて再始動したことを語っていました。
松田選手の現在の夢は、日本代表となること。
そして、30歳(2030年)の時にW杯に出場すること。
「全て目標のために逆算して行動し、無駄な時間がないように毎日毎日を大切に過ごしています。夢は本当に楽しくて、辛くて、色んなことがある。夢の途中は本当に辛いことがあるけれど、本当に嬉しいこともたくさんある。夢を叶える人は挫折、失敗しても、またそこから頑張ろうと思える人。自分を信じて、自信を持って、自分の道に進んで欲しいなと思います」と児童にエールを送っていました。
大卒ルーキーとして加入した今季、なかなか出場機会に恵まれず、序盤にJ3・FC大阪に期限付き移籍。
シーズン中盤に水戸に復帰後はレギュラーに定着した後、オフシーズン中はハノーファー96への練習参加も経験し、J1・京都サンガFCへの移籍が決定した松田選手。
激動の2023シーズン、幼少期の苦しい経験を糧に夢の階段を駆け上がる姿は、きっと地域の子ども達に大きな刺激を与えたことでしょう。
育成型期限付き移籍期間が終了し、柏レイソルへ復帰する鵜木郁哉選手が12月29日、水戸市笠原町のフットサル場サンフィートでファン・サポーターとフットサルや交流を楽しむ「2023年蹴り納め企画〜うのちゃんと遊ぼう〜」を開催しました。
水戸ファミリーに対しての熱い思いと感謝の気持ちを形にした鵜木選手自身が発案した企画は、応募殺到のため全2回から3回に拡大され、約90名が参加。
一年半の間、ピッチ内外で活躍した鵜木選手への感謝と別れを惜しむひとときを過ごしました。
同イベントは雲一つない晴天に恵まれた中、午前中は小学生対象、午後の2回は中学生以上の大人を対象に実施。
午後に開かれた第二部は、水戸の特長の一つである球際の激しいコンタクトはNGとされ、楽しく、怪我なく終えることをテーマに行われました。
6名5チームに分かれて、ボールを使ったアイスブレイク兼ウォーミングアップをした後、ミニゲームを満喫。
ゲームは女性、50代以上の人、鵜木選手の〝愛のパス〟(アシスト)から得点すると2点という設定で行われ、鵜木選手がファン・サポーターのチームにランダムで加入しました。
時折、鋭いパスや素早いカットなどプロの技を披露しながら、「ボール来たよ、ケンさん!」など一人ひとりの名前を呼んで鼓舞。
「いいよ!」「惜しい!」と絶えずポジティブな声掛けをして、全試合に出場しながら盛り上げていました。
ゲーム後は参加者からの様々な質問に応え、「茨城の好きな場所は?」には「大洗磯前神社の海沿いのスポット」とPR大使を務めた大洗町の通なエリアを紹介。
「水戸で思い出に残ってる試合やゴールシーンは?」については、「自分が2点を決めて勝利したアウェイ山口戦」と自身が白星に導いた試合を挙げ、「J1で対戦したい選手は?」に関しては「名古屋の椎橋慧也選手。めっちゃ仲良かったので、スライディングを入れようかなと思います」とレイソルの元チームメイトを回答。
鵜木選手が使用したスパイク、サイン入りスニーカーや保冷バッグなどがプレゼントされる抽選会も開かれ、全員にサインや写真撮影などのファンサービス、やまの湯の入浴券や文房具の参加賞の配布が行われ、参加者らは大満足の表情を見せながら鵜木選手との交流を楽しんでいました。
イベントを終えた鵜木選手は、「僕は水戸のファンサポーター皆さんの事をすごく愛していましたが、皆さんはそれ以上に僕に愛をくれていたんだと、このイベントを通して感じました。休日を返上して動いてくれた水戸のスタッフや皆さん、サンフィートさんにもこの場を貸していただいて感謝していますし、最後に水戸らしいイベントが出来たのではないかと思います」と笑顔。
水戸での一年半について、「今季はプレーオフ圏内の目標を達成できずに悔しかったですが、ピッチ内外で水戸らしさを自分としては出せたと思いますし、新しいことを学べたと思います」と振り返り、「昨年は0ゴール0アシストで2023シーズンは結果にこだわり、今季獲得した5点以上のゴールを取れると思いました。スプリントコーチの秋本真吾さんとのスプリントトレーニングなどオフザピッチの行動がピッチ内で結果として示せたと思います」と自信に繋がったシーズンを過ごせたようでした。
一年目は大洗町、二年目は北茨城市のPR大使に就任。
オリジナルの動画制作やSNSを活用した魅力発信に積極的に取り組む姿勢も印象的でした。
「水戸に来て、初めてPR大使を務めましたが、〝やってあげた〟のではなく、自分が行きたかったのでPRや宿泊をしましたし、それぞれで良い出会いやご縁に恵まれました。人との繋がりは大事だなと改めて気付くことができましたし、皆さんに愛された分、皆さんを愛したいなと思いました」
今後の目標について「J1での活躍」、そして「パリ五輪への出場」とファン・サポーターに明言した鵜木選手は「J1に行くには結果を残して、J2に戻ることがないようにしっかり頑張りたいと思います。レイソルはタイトルを獲るチーム。カップ戦でもリーグ戦でもタイトルを目指して、チームに貢献したいと思います」と意気込みを語っていました。