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【VSセレッソ大阪】リスタートを切った木村誠二 チームメートを鼓舞する姿が映った一枚の写真【無料公開】

 

 それぞれの第一歩があった――。

 

 FC東京は8日、ルヴァン杯1次リーグ初戦でC大阪とヨドコウで対戦し、0-1で敗れた。この一戦で、2種登録のMF佐藤龍之介がルヴァン杯史上3番目の年少記録となる164カ月20日で先発出場を果たした。さらに、ここまで出場機会に恵まれていなかった選手にも次々とチャンスが与えられ、多くの選手がそれぞれの“初”を刻んだ。

 

 試合前日の木村誠二は普段と変わらぬ様子だった。「落ち着いている様子だけど、気持ちはたぎっている?」と聞くと、木村は少しだけ間を空けて「だいぶ…。けっこうかな」と言い、こう続けた。

 

「開幕がけがで絡めてなくて、ずっとそこから試合に絡めてない。運も悪かったと思うけど、まだ始まったばかり。(出場する)最初の試合が肝心なので、そこで結果を出せるようにずっと気持ちだけは切らさずにやってきた。そんなに緊張もしていない。明日は思い切ってやりたい」

 

 この日が今季公式戦初先発で初出場となった。キャンプ期間中は森重真人、木本恭生に次ぐ3番手の立場で、メンバー争いでもエンリケ・トレヴィザンを一歩リードしていた。だが、開幕直前にまさかのけがを負った。離脱期間は短かったものの、復帰後もベンチ入りメンバーにすら入ることができていなかった。

 

 カメラマンの新井さんから届いた写真の中に、最終ラインでリーダーシップを発揮し、チームメートを鼓舞する木村の姿があった。ここからもう一度定位置争いを挑んでいく。その気概を写した一枚だった。

 

 

text by Kohei Baba

photo by Kenichi Arai

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