「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

もう一度強靭なる”右サイドの槍”に。黒﨑隼人「これをいい経験にして、個人としてもっと強くなっていけたら」【きっかけはそこに】(23.5.19)

▼とにかく今できることをやり続ける

18日の練習後に「最近どうですか?」と声を掛けると、黒﨑は明るい表情とともにこう返した。

「みんな悲観することなくやれているし、個人的にはメンバーに入ったり、入らなかったり、難しい部分はありますが、試合に出たときにいかにチームを助けられるか、そのための準備はしていますよ」

現状の立場でやれることをやる。大事なことは黒﨑自身もよくわかっている。

開幕からスタメンで出続けていた黒﨑だが、最近は控えに回ったり、メンバーから外れたり、マチマチの状況にある。

前節東京ヴェルディ戦(●0-2)では77分から森俊貴に代わって途中出場。直後、右サイドからスイッチを入れ、根本凌に当てたワンツーから背後へスプリントして飛び出したシーンがあったが、相手DFに対応された。

黒﨑らしさの片りんが見えたが、残りの時間においても”らしさ全開”だったかといえば、まだまだ。

「もう少し守備の強度を上げないといけないし、奪ったときに前へ出ていく推進力ももっと引き上げていかないと。スタメンで試合に出ている選手たちと比べると、まだまだ足りないと思っています」

プレーに対してあれこれと考え過ぎている自覚もある。もう少しやるべきプレーを整理する必要性を感じながら、日々の練習に向き合っている。

 

思えば、黒﨑は昨季、同じような苦しい時期を経て、乗り越えた経験があった。

今と同じようにプレーに迷いが生じ、スタメン出場を果たしている試合でも、持ち味であるダイナミックさを欠き、プレーの精彩を欠いている時期だった。

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