「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

なぜ前半と後半でこれほどまでに顔が違ったのか。【J2第36節 モンテディオ山形戦 レビュー】(21.11.1)

2021明治安田生命J2リーグ第36節

2021年10月31日14時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム

入場者数 3,713人

栃木SC 1-2 モンテディオ山形

(前半0-0、後半1-2)

得点者:46分 藤田息吹(山形)、48分 谷内田哲平(栃木)、72分 ヴィニシウス・アラウージョ(山形)

天候 曇
気温 17.6℃
湿度 67
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 50 オビ パウエル オビンナ
DF 33 黒﨑 隼人
DF 5 柳 育崇
DF 36 乾 大知
MF 44 谷内田 哲平
MF 14 西谷 優希
MF 25 佐藤 祥
MF 49 溝渕 雄志
FW 29 矢野 貴章
FW 31 豊田 陽平
FW 32 畑 潤基
控えメンバー
GK 1 川田 修平
DF 20 三國 ケネディエブス
MF 10 森 俊貴
MF 11 ジュニーニョ
MF 17 山本 廉
MF 41 松本 凪生
FW 19 大島 康樹

57分 豊田→ジュニーニョ
57分 谷内田→森
76分 西谷→松本
76分 畑→山本
85分 佐藤→三國

 

▼ロングカウンターの精度をもう少々

徹底して守りを固めた前半。前からアグレッシブに突っかけた後半。どちらも栃木の顔だ。

では、なぜ前半と後半でこれほどまでに顔が違ったのか。

「まずはゼロでいく」

現状、強く共有されているのはこれだ。残り7試合、勝点38。残留争いの渦中、多少勝点でリードする栃木には勝点1ベースの戦いを選択する大義名分がある。

 

否、前半も、前から奪いにいこうとするシーンは多々あった。ただ、「プレスのスピードやインテンシティが足りていなかった」(田坂監督)。これは前線のメンバー選考から想定の範囲内。前半のメンバーは前で奪えなくても、自陣で奪ってからのロングカウンターに活路を見出そうとしているところがある。

対する山形のビルドアップも巧みだった。スタートポジションはトップ下とされるMF山田康太が必ず中盤に降りることで”プラスワン”を作っていた。左SH樺山が高い位置を取ることで、右SB黒﨑を止めておき、左SB山田拓の前に作ったスペースに顔を覗かせていた。

栃木としては、2枚のボランチの佐藤と西谷が前から人を捕まえに行ってもいいのだが、前述したとおり、前半の戦いぶりには勝点1ベースで進めようとする慎重さがあった。佐藤か西谷のいずれかはアンカー的な立ち位置を交互に取ることでスペースを空けないような慎重な立ち回りだった。

前から奪いにいっても”インテンシティ不足”で奪い切れないシーンが増えることを想定したリスクヘッジなのだと思う。

 

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