「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

秋田に「走り、闘う」のお株を奪われる。【J2第2節 ブラウブリッツ秋田戦レビュー】(21.3.8)

2021明治安田生命J2リーグ第2節

2021年3月7日14時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 3,706

栃木SC 0-1 ブラウブリッツ秋田

(前半0-1、後半0-0)
得点者:11分 沖野将基(秋田)

天候 晴れ時々曇り
気温 9.5
湿度 38%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 2 吉田 将也
DF 4 髙杉 亮太
DF 5 柳 育崇
MF 17 山本 廉
MF 14 西谷 優希
MF 37 上田 康太
MF 16 菊池 大介
FW 23 植田 啓太
FW 29 矢野 貴章
FW 10 森 俊貴
控えメンバー
GK 15 岡 大生
DF 22 小野寺 健也
MF 11 ジュニーニョ
MF 25 佐藤 祥
MF 41 松本 凪生
FW 19 大島 康樹
FW 32 畑 潤基

64分 森→大島
64分 植田→ジュニーニョ
64分 上田→松本
78分 山本→畑
90分 西谷→小野寺

 

▼改善したが迫力がない

開幕戦でちぐはぐな攻撃をしてしまったので、同じような展開が予想された今節はメンバーを変えたことで、セカンドボール奪取からの攻撃は改善された。特に前半は中央とサイド、上と下を使い分ける攻撃はある程度できていた。

 

ただ、攻撃のルートを使い分けられているだけで、あれが相手の嫌がる攻撃かどうか、圧力を感じる攻撃になっているかはまた別問題だ。際どいシュートがほとんど打てていない。

それでも再三獲得したCKからゴールが獲れればよかったが、今節も不発だった。上田から18分に矢野、26分に髙杉が合わせかけたシーンは非常に惜しかったが。

 

なんというか、迫力に欠ける攻撃だった。開幕節の課題を意識しながら、うまく攻撃した、という印象だ。

対する秋田の攻撃には迫力があった。DAZN解説の戸川健太さんも解説中に秋田の攻撃について「はっきりしている」「徹底している」と繰り返していたが、それが迫力に繋がっていたのだと思う。シンプル・イズ・ベスト。

そして、それらのフレーズは昨季の栃木が背負っていたものだ。本当はそれをこっちがやりたいのになあ、である。

 

秋田の2トップのスピードやボールへの執着には怖さがあり、迫力があった。クリアボールも意図的に栃木のSBの背後に蹴り込み、そこにFW齊藤が反応して起点を作った。秋田の2トップはスローインからでも2人でビッグチャンスを作れていたし、11分の先制ゴールもFW中村のゴールライン上での泥臭い粘りから獲得したFKが起点になった。

FW中村のプレーがまさに秋田らしさなのだが、ああいう泥臭いプレーは見ている人に伝わる。同類の似た者同士の対決となった今節。カンセキスタジアムとちぎのお客さんも栃木の選手たちに欲しているプレーだったに違いない。

DAZN解説の戸川健太さんが栃木についてこう指摘している。

「昨年と比較すると全体の圧力、攻守においてボールへの執着、速さ。これは2節は物足りない印象ですね」

それを秋田の選手たちが随所に体現していただけに対比的に栃木の不足がわかる試合だった。

 

ただし、映像を見返すと、現地観戦のときと多少印象が異なった。前半はセカンドボール争い自体はそれほど負けていないし、拾えたときはチャンスにできていた。秋田の選手たちの競り合いの屈強さ、特に2トップの屈強さであり迫力に全体の印象が引っ張られたのかもしれない。

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