「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

拮抗した展開の中の一瞬。不条理だろうと受け入れて力強く前へ。【J2第23節 アビスパ福岡戦レビュー】(20.10.1)

2020明治安田生命J2リーグ第23節

2020年9月30日19時キックオフ ベスト電器スタジアム

入場者数 1,878人

アビスパ福岡 1-0 栃木SC

(前半0-0、後半1-0)
得点者:82分 福満隆貴(福岡)

天候 晴れ
気温 23.7
湿度 67%
ピッチ 全面良芝

<スターティングメンバー>

GK 50 オビ パウエル オビンナ
DF 23 柳 育崇
DF 30 田代 雅也
DF 6 瀬川 和樹
MF 33 黒﨑 隼人
MF 25 佐藤 祥
MF 14 西谷 優希
MF 18 森 俊貴
FW 34 有馬 幸太郎
FW 9 エスクデロ 競飛王
FW 8 明本 考浩
控え

GK 1 川田 修平
DF 40 井出 敬大
DF 15 溝渕 雄志
MF 5 岩間 雄大
MF 13 禹 相皓
MF 17 山本 廉
FW 29 矢野 貴章

57分 有馬→山本
68分 エスクデロ→矢野
86分 黒﨑→溝渕
86分 西谷→禹
86分 佐藤→岩間

▼アグレッシブな戦いながら互いに決定機を与えない

ハーフタイムに入ったときに取材ノートに「ミス」「隙」「リスタート」と書いた。

拮抗した展開の中、後半のポイントを書き残したものだ。ここに「ジャッジ」を加えるべきだったと気付かされるのは試合後のことである。

前半途中、ハーフタイム、試合後。そのすべてで互いのボール保持率の数値は50%対50%のイーブンを指した。ボールを持たざる者同士の戦いは、予想した通り、ボールが行って返っての落ち着かない展開が続いた。

そうした展開の中、栃木は前節町田戦同様、背後へのボールのリスク管理の徹底ができていた。秀逸だったと言ってもいい。

相手のボールが下がり、こちらのプレスが掛かっていれば同時にラインを上げつつ、と同時に背後へ蹴られる瞬間には一気にラインを下げて対応する――といったラインコントロールのメリハリが効いていた。

 

それは福岡も同じことだった。

互いに強い2CBを持ち、堅固な守備能力を持つ者同士、失点数が少ない者同士の戦いは、互いに相手の圧力に屈せず、決定機らしい決定機を与えなかった。試合後のスタッツは福岡のシュート数5本に対し、栃木は4本だった。

低調な内容だったわけではない。互いに前へのベクトルが非常に強い者同士、相手が隙を見せれば一瞬で突き破れるだけの緊張感を持つ、緊迫した攻防だった。だから、どちらに転んでもおかしくない試合が、ちょっとしたジャッジの連続から生まれたリスタート一発で決まったことも頷ける。

 

ボールが行ったり来たりする展開では、中盤に落ちるセカンドボールをいかに制するかが要諦となる。その中で、栃木はトップ下に入ったエスクデロがキーマンになっていた。

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