「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J2・J3入れ替え戦第二戦ツエーゲン金沢戦 完敗。J2復帰ならず。突き付けられた現実から次をどう考えればいいか。

2016明治安田生命J2J3入れ替え戦第二戦
2016年12月4日12時30分キックオフ 富山県総合運動公園陸上競技場
入場者数 7,130人
天候 晴天、無風
気温 19.6℃
湿度 34%
ピッチ 全面良芝、乾燥

ツエーゲン金沢 2-0 栃木SC
(前半1-0、後半1-0)
得点者:中美慶哉(34分)、中美慶哉(69分)

<スターティングメンバー>

◇栃木SC
GK 21 吉満 大介
DF 17 山形 辰徳
DF 18 坂田 良太
DF 5 尾本 敬
DF 7 菅 和範
MF 38 宮崎 泰右
MF 29 島川 俊郎
MF 30 本間 勲
MF 14 西谷 和希
FW 8 廣瀬 浩二
FW 9 大石 治寿

控えメンバー
GK 1 竹重 安希彦
DF 15 永芳 卓磨
DF 4 広瀬 健太
MF 10 杉本 真
MF 41 佐々木 勇人
FW 11 ジャーン モーゼル
FW 32 リカルド ロボ

監督 横山 雄次

56分 廣瀬→ジャーン 58分 菅→佐々木 82分 西谷→ロボ

56分 廣瀬→ジャーン
58分 菅→佐々木
82分 西谷→ロボ

引く相手に露呈させられた課題  

 

完敗だった。

守備ブロックを構える金沢に何もさせてもらえなかった。縦パスを狙おうにも、相手のプレスの圧力の前にボールを奪われるのを躊躇し、後ろに下げ、DFラインでボールを回すという時間が続いた。

 

その過程で相手にパスを奪われ、カウンターを受ける。その繰り返し。

金沢は準備していたとおりの守備、完璧だっただろう。4-4-2ゾーンの綺麗なブロックだった。栃木のボールホルダーはきっと相手のフィールドプレイヤー10人をすべて敵に回しているくらい余裕がなかったに違いない。

 

栃木はボールの動かし方はある程度準備していた。

第一戦でもそうだったように、相手のサイドバックが食いついて来た、その背後。こちらはサイドハーフにボールを預けたところに相手サイドバックを食いつかせて――という狙いがあったが、第二戦の金沢は第一戦よりも前から奪いにこなかった。

 

いわゆるミドルゾーンでしっかりと守備ブロックを構え、こっちのサイドハーフに対して、サイドハーフが対峙するという形。そして、こちらのアクションをじっと見ている。そして、隙あらばリアクションでカウンターを打ち込む。

 

金沢からすれば第一戦で勝利しているのだから、無理に前から奪いにいく必要はなく、それで十分。

前半34分にはそのカウンターの流れから、栃木のCB坂田良太のペナルティエリア内でのPKを誘発し、これを中美が沈めて難なく1点をリードした。

 

対する栃木は、サイドハーフの宮崎泰右や西谷和希にボールが入ったときに、相手のサイドハーフやヘルプに駆けつけるボランチと対峙する形になり、相手のコンパクトでタイトな守備を前に苦しくなった。そしてこちらのボランチのサポートもほぼないので、1対1でどうにかするしかなかった。

 

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