「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【インタビュー】栃木SC 橋本大輔代表取締役社長インタビュー後編 ~クラブを運営する企業をきちんと作る~ 「SCがJ3で優勝するためには、フロントもJ3で一番機能的な組織になっていないといけない」

クラブスタッフの日々の行動管理まで徹底してやる。期待があるのだから今まで通りではいけない

 

栃木SC 橋本大輔代表取締役社長インタビューの前編では、以下の中期ビジョンのうちの1~3の話を聞くなかで、ファン・サポーターを第一にクラブ作りを進めることを確認した。引き続き後編でもクラブが掲げる中期ビジョンを軸に残りの、4.地域密着、5.クラブの財務強化、最後に社長就任の経緯、などについて話を聞いている。

■中期ビジョン

1.絶対的価値である強いチームになるための環境(チーム強化)

2.夢や感動を共感する非日常空間という舞台(ホームゲームの充実)

3.地域の人材と夢を育てる環境(アカデミーの環境強化・充実)

4.地域との積極的アプローチ(地域密着の徹底と浸透)

5.安定したクラブ運営とサービス提供が可能な基盤(クラブの財務強化)

前編はこちら↓

>>>栃木SC 橋本大輔代表取締役社長インタビュー前編 ~一番のお客様は誰なのか~ 「地域を動かすときにはともにサポーターが動かないと何もできない」

 

4.地域との積極的アプローチ(地域密着の徹底と浸透)

「小口スポンサーを増やす。取引先目標の企業数は500社」

 

次に地域との関係、スポンサーとの関係について。

「これは具体的にいうと、あくまでも私見ですが、栃木SCJ2にあがったときに大口スポンサーにかなり恵まれていて、額は相当ありました。ですが、一方で観客数やスポンサー数を増やすことをしてこなかった。それがJ2での集客の結果(約5千人程度)だと思っています。ですから、J3に落ちてしまった以上、次にJ2にあがるときは今のお客さんの数よりも大勢のお客さんに関与してもらいたいと思っています。

そのためにクラブは何をするのか。そのための施策として挙げたいのが、取引先目標の企業数を500社以上にすること。去年、アビスパ福岡が1000社以上を獲得したそうですが、結果として来場者数が約8000人にまで増えています。取引先企業の数だけが要因ではないですし、町の規模を考えると栃木よりも福岡の方が大きい。単純に栃木と比較できませんが、現状、栃木SCは取引先企業は300社程度。これはさらに200社を増やそうと考えています。金額は1万円でも2万円でもいいから、出資額には関係なく、栃木SCに関わってくれる企業を増やしたいということです。そういうことをした上で、今シーズン中は大義名分があれば、無料チケットを配布して集客増を狙う、という取り組みもOKだと考えています。ただし、来年度は自分たちが頑張ってつくり出したクラブとしての価値を無駄にばら撒くようなことはしたくないと考えています」

――取引先目標の企業数500社というのは、既存のスタッフの尻に火をつけてやるというイメージですか。

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