「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

中美慶哉インタビューvol.2 ~覚醒~「二桁ゴールを記録すれば絶対に視野は広がると信じていた」

栃木SCの至宝、中美慶哉がJ1鳥栖へ移籍を決めた。

昨季チームがJ2下位に低迷しながら、しかも二列目の選手ながら、そのなかでチームトップとなる10ゴールを奪った。見事だった。

中美のなかで何があったのか。その胸中に迫る。(インタビューは2016年1月4日)

写真提供:栃木SC

写真提供:栃木SC

「熊本戦のPKを蹴っていなければ10点はいかなかった」

 

――どうなんだろう。大学4年の春にケガをして、もうサッカーをやめようとした時期もあったわけでしょう?

「そうですね」

――それから栃木に加入して、プロデビューから2年でJ1へ行くことになるわけだけど。

「あのケガで俺のなかで全部がゼロになってしまったから本当に大変だった。でも、今思えば、高校でも大学でも俺はゴールを奪える選手ではなかったんです。まったく。シュートもほとんど打たなかった。それがなんで昨季あれだけ変わったのかというと、プロの世界に入ってわかるんですが、結局J2は数字でしか目をつけられない。いくらいいプレーをしても数字でどうにかなる世界なんで。だから悪いときといいときと、どっちもあっても1年間を通じて10点は取ろうと。その目標があったからだけど、去年の俺のターニングポイントが熊本戦のPKだったんですよ」

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