「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【SBGニュース】松本山雅FCから戸島章を獲得。松橋優安はSC相模原に期限付き移籍。戸島「チームのために得点にこだわっていきたい」2021チーム編成・夏〈4〉(21.8.12)

オンライン囲み取材に応じた戸島章。191センチの長身とあって、ぎりぎりフレームに収まった。

オンライン囲み取材に応じた戸島章。191センチの長身とあって、ぎりぎりフレームに収まった。

■それぞれの新天地

東京ヴェルディは8日、松本山雅FCから戸島章が期限付き移籍で加入すると発表した。また10日には、松橋優安のSC相模原への期限付き移籍を明らかにしている。

松本は4日から岩手県遠野市で5日間のミニキャンプを実施。その間、戸島にオファーが舞い込んだ。

「松本ではプレーできる時間が短く、より多くの出場機会を求める気持ちがありました。そこで、ヴェルディからお話をいただけてうれしかったですね。ほぼ即決でした。高さを生かして前線のターゲットになり、足元でボールを収めるところ、前からボールを追うディフェンス面でもチームのプラスになれるように。何より、チームのために得点という結果にこだわってやっていきたいです」(戸島)

191センチの長身とボールコントロールの技術を持ち合わせるのが長所だ。かねてより、攻撃のバリエーションを広げるために前線に高さを加えたほうがベターとする考えは江尻篤彦強化部長の計画にあり、それは永井秀樹監督の思惑とも一致していた。

永井監督は言う。

「強化部がチームのバージョンアップにつながる新戦力をピックアップしてくれるなかで、われわれの求めるタイプと合致したのが彼ということです。最後に試合を決めたいとき、高さという新しいオプションを追加できる。単にサイズがあるだけではなく、足元もしっかり計算できるところが魅力ですね。サッカーのベースは変わりませんので、そこは必須条件。シーズン後半、相手から研究され、対策を打たれても、それを上回っていくプランを用意する必要がある」

新たなキャラクターを攻撃陣に組み込むことができれば、チームに新機軸が生まれるかもしれない。

一方、初めて東京Vを離れることになったプロ2年目の松橋は、クラブのオフィシャルサイトを通じて〈この決断は決して簡単ではありませんでした。僕はヴェルディが大好きです。だけどまだ何も恩返しできていません。だからこそ今よりもさらに強く、たくましく、そして成長して帰ってきます! 待っててください。行ってきます!〉と力強いメッセージを残し、相模原へ向かった。

ユース時代から指導し、チームの軸になれると見込んだ永井監督には複雑な思いもあろう。

「優安は精神的に大人になり、現状ではヴェルディの力になれない、もっと試合に出て成長したいと新たな道を選びました。その思いはわかりますので、こちらは気持ちよく背中を押すだけ。J2から獲得オファーが届くということは、彼の持っている価値の証明です。外の世界を見ることで、ヴェルディのすばらしさをはじめ、気づかされることは多くあると思います」

未知のサッカー文化に触れることが松橋に何をもたらすのか興味深い。新天地での健闘を祈る。

 

新しい環境に身を置き、松橋優安はどのような進化を遂げるか。がんばれ。

新しい環境に身を置き、松橋優安はどのような進化を遂げるか。がんばれ。

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