「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】短期集中連載『永井秀樹、あの日、あのとき』Scene6(20.5.9)

Scene6.April 1 , 2001

■この人のために、サッカーをやるんだ

東京都稲城市、よみうりランド――。

2001年、私はさして特別な理由もなく、新しい息吹に誘われて、東京ヴェルディ1969の練習場に足を運ぶようになった。

ホームタウンを川崎市から東京都に移した初年度だった。取材をスタートするうえでキリがよく、実績の乏しいライターはどこを追いかければ稼げるのか、という現実的な選択でもあった。ほどなくして、金銭面では自分の大変な見込み違いであったことが判明するが、それはまた別の話である。

2001シーズン、開幕から3試合を1勝2敗。4月1日、私は永井秀樹をインタビューする機会に恵まれている。囲み取材を別にし、初めて1対1で話を聞かせてもらった東京Vの選手が永井だった。

Jリーグの象徴として脚光を浴び、独善的なやり方を隠そうともしない往年のヴェルディ川崎はいけ好かないチームだったと話す私に、永井は笑いながら言った。

「そういう人は多いですね。あの時期は、日本リーグ時代から読売クラブが築き上げてきたものの集大成だったと思います。Jリーグが始まり、ほかのところが会社のサッカークラブを急にプロ化した一方、ヴェルディは読売の頃からプロ集団でやっていた。他のチームと比べて格が違ったし、実際レベルが高かったです。試合では負ける気がしなかった」

(残り 1480文字/全文: 2049文字)

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