【無料記事】【練習レポート】井上潮音が帰ってくる(17.6.2)
■故障のリスクを抑えるために
昨年、今年と井上は筋肉系のトラブルが相次いだ。今後、故障のリスクを抑えるためには、根本的な改善策が求められる。
「復帰してからもハムストリング(もも裏)の補強は継続します。練習後の自主トレをやりすぎたのが故障につながった面もあるので、これからは故障しないことを第一に考えてやりたい。もっと巧くなるためにトレーニングは必要ですが、ただしそれは身体に支障をきたさない程度に。大事なのは、そこのバランスですね」
今回のことで、青柳雅人フィジカルコーチをはじめ、メディカルスタッフやトレーナーは、さまざまな角度から井上にアドバイスを授けている。将来のために土台を見直すきっかけになれば、この程度の代償は充分にお釣りがくるだろう。
「走り方の改良はそのひとつ。どうも僕のフォームは、太ももの前の筋肉に頼った走法らしいんですよ。それで後ろの筋肉の強さが足りないみたいで。身体の使い方も、けがをしやすいものとリスクを抑えられるものがあると教わっているところです。できることから、ひとつずつ直していきたいと思います」
最後、井上に訊ねた。前節のV・ファーレン長崎戦、東京ヴェルディはボールを握り続け、特に後半はゴリ押しに攻めたが最後までゴールを割れなかった。もしあのピッチに自分が立っていたとしたら、どうやって戦局を打開しようとしたか。
「ボールは思ったとおりに回せていましたよね。後ろからつなぎ、サイドに運んで、攻め込めていた。ただ、ポゼッションしていても、相手にとって怖いプレーは少なかったのでは。どこで勝負の縦パスを入れるのか。決定機をつくるには、そこがやや足りないように感じました」
まだ井上の復帰戦のタイミングは計れないが、順調にいけば遠からずその日は訪れる。コンディションを万全に整え、相手の急所をえぐる仕事を存分にやってもらおう。
【今日のおめでとう】