【インタビュー】A Secret on the Pitch ピッチは知っている〈2〉 桜井直人 後編(17.1.10)
A Secret on the Pitch ピッチは知っている 〈2〉
『ドリブルから世界を』桜井直人 後編
※前編はこちら。
■ABCDの4段階評価
――いまのヴェルディの若手で、桜井さんが面白いと感じる選手はいますか?
「う~ん」
――それほど試合を観る機会がないですもんね。
「そうですね。エキシビジョンマッチに呼んでもらった讃岐戦は現地で観ましたけど」
――いいですよ。お愛想を言わない人だというのは知ってますから。
「もともと、ことサッカーに関しては他人を簡単に認めないところがあって」
――では現役時代、特別視していた選手は?
「エジムンド」
――あのレベルですか。元セレソンの看板に偽りなく、バカ巧かった。
「おれ、ヴェルディで一緒にやる前から、サッカー専門誌の選手名鑑で好きな選手にエジムンドって書いてますから。同じ日本人は認めたくないという気持ちが強くてね。エジムンドは素直に巧いと思えた」
――練習を見ていて笑っちゃいましたよ。エジムンドは足元に要求したパスがちょっとでもズレたら、一切追わない。そして、味方をあきれ顔で見る。「やってらんねえよ」と山田卓也さんがブチギレてて。
「王様なんです、ヤツは。ボールをここにつけろ。あとは、おまえら守ってればいいからみたいな。一緒にプレーして、あんなに面白かった選手はほかにいない」
――現在、FC町田ゼルビアを率いる相馬直樹さんが左サイドを駆け上がっても、エジムンドからは全然ボールが出てこなかった。
「あれはね、ちょっとかわいそうだった」
――中央をこじ開けたほうがゴールの可能性が高いと判断するエジムンド。それでも、これが自分の仕事だとオーバーラップを何度も仕掛ける相馬さん。双方、プロフェッショナルな姿勢でした。そういえば、卓さん、最近どうしているんだろう。
「奈良クラブは辞めて、アメリカに戻ってサッカースクールをやっているとか」
――あの人は、地球上のどこでも生きていけますね。サッカーという共通言語を最大限に生かしている。すごい。
「間違いないです」
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