「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「交代で出た選手たちがパワーを見せてくれたことは、今後に向けて競争が高まることにつながる」+岡山・長澤徹監督、関戸健二、塚川孝輝(3,640文字)【監督・選手コメント/ファジアーノ岡山戦】

■明治安田生命J2リーグ第32節・9月10日(日)18:00キックオフ
シティライトスタジアム/8,546人
ファジアーノ岡山 1-1 FC町田ゼルビア
【得点者】岡山/83分 大竹洋平 町田/90+2分 大谷尚輝

 

■長澤 徹監督(岡山)
ーーまずは試合の総括からお願いいたします。
「8,500人ほどのお客さんに集まっていただいた中で勝ち切れないゲームとなりましたが、試合に前に選手たちに伝えたことはお客さんが期待していることは勝ち点3だということ。いろいろな状況はあると思いますが、そういう期待を受けた舞台に立てることは非常に光栄なことなので、その期待に応えられるように精いっぱい戦おうと彼らを送り出しました。

町田さんとはいつもタフなゲームとなり、今日も決着がつかず、引き分けの試合が続いているので、なんとか勝ち越したかったです。最後はセットプレーで押し込まれて、勝ち点2を失うような戦いになりましたが、試合全体を通しては前節の山形戦よりは大きく修正できたゲームでした。こういうゲームでもしっかりと勝ち点3を取り切れるように最後まで努力・精進を続けていきたいと思います」

ーー終盤に追い付かれる試合をなくしていこうという中で、今日の町田戦のようにそういう試合がまだありますが、その点について、監督はどのようなお考えでしょうか?
「今日に関しては理屈ではなく、力負けです。SBの選手交代を奥山ではなく大谷を選択してきた時点で町田さんはセットプレー勝負になることを恐らく決めていたんだと思います。ウチもベンチワークでセットプレーの守備について高さを合わせるために久木田をガチンコで投入しています。

選手にも話してきましたが、言い訳することなく、この結果を受け止めて、両足をつけてはね返していくことが必要です。理屈ではない部分で失点をしていますが、そういった現実から目を背けることは逃げになります。こういう試合できっちりと勝ち点3を取っているチームが目標を達成する資格のあるチームだと思います。

われわれにはまだ10回のチャンス(10試合)が残されています。そこに向けて、しっかりとやっていこうと思います。ホームゲームで勝ち点3を期待されている中で勝ち点1に終わった重みはあります。この状況で勝ち点1に終わったことで損失したことばかりに目が行きがちですが、内容に目を向ければ勝ち点1を積み重ねたことに価値もあります。サポーターの方々には残念な思いをさせてしまいましたが、これからもJ1昇格という目標に向かってともに歩んでください。よろしくお願いします」

ーー前節の山形戦はシュート1本に終わりましたが、その試合から修正できた部分についてはいかがでしょうか?
「数字だけ見るとそうなのですが、山形戦もファイナルサードには入っていけているので、全然悲観するような内容ではなかったんです。ただフィニッシュに至るワンプレー前、もしくはツープレー前に少しアイディアが足らなかったですし、今日の得点を切り開いたシーンに答えがあって、ボールを奪って最初にこねくり回すのではなく、シンプルな形に持ち込んでいきながら最後に冷静にフィニッシュすることがリズムでしょうということです。

山形戦は最初に少しプレースピードが遅くなって最後に速くなっていたので、そういうテンポをどうしても変えたかったですし、そういう意味で今日の得点は非常に理想的な形でした。やっている選手も手ごたえをつかんだ得点だと思います。オープンプレーに関しては攻守ともにきっちりと上積みできていますが、サッカーの勝負どころはセットプレーで決まるという部分もありますから、今日の失点に関しては『セットプレーをきちっとプロテクトすることをもう一回やりなさい』と言われているようなものですし、セットプレーで点を取ることはウチの武器でもあります。

相手よりも先に触って、町田のようなチームにもこじ開けられるようになれば、勝ち切れる態勢になるのかなと思います。(終盤に失点を繰り返しているという)痛い授業料をずっと払っていますが、なんとか最後に勉強させてもらいましたと言えるように謙虚に反省してやっていきたいと思います」

ーー得点を奪った大竹洋平選手についての評価はいかがでしょうか?
「サッカーは全員でやっているスポーツなので、ここでアイツ一人を褒めようとも思っていませんし、もっともっと期待している選手でもあるので、まだまだできると思っています。ただ一つだけ言うとすれば、あの位置まで走っていくことがシーズン序盤からできておらず、どうしてもラストパサーになりがちでした。『何のためのサッカーなの?』ということを彼に問いかける中で、あの年齢になるとなかなか頭の中が堅くなって自分のプレーを変えられないのですが、セルフコンセプトをしっかりと変えて成長しようとしていることは評価しています。ただ、まだまだプレーの精度も含めてもっとできると思っていますので、しっかりと彼にこのコメントを読んでもらいたいと思っています」

 

■MF 16 関戸 健二(岡山)
空いているのは見えていた
「特に前半は結構相手にセカンドボールを拾われてボールを持たれる時間があったのですが、後半は次第に自分たちの攻撃が出来始めたところで最後のほうに点につながったことは良かったです。ただ失点場面は課題なので修正していきたいです。(ゴールをアシストしたクロスボールについて)あそこが空いているのは見えていましたので、越えれば良いかなと思っていました」

 

■MF 27 塚川 孝輝(岡山)
チャレンジャーとしてどんどん前に行きたい
「試合の入りは少し試合に入りづらかったです。ボールも全然触れませんでした。でも、そういう時間帯だと思って割り切ってやっていて、途中からセカンドボールも拾えるようになって自分の良さも出せたと思いますが、勝利につなげられなかったのでまだまだだなと思います。

(良い時間帯に得点できました)ちょっとした気の緩みなのかもしれないです。やっぱりCKは個人個人の意志というか、個人的にはそういうものの強さの戦いだと思っていますので、今日は相手がそこで上回ったということだと思います。セットプレーのときにもっとチーム全体で気迫のある声を出していくとか、そういうことで変われるんじゃないかと思います。

(残り10試合)もう止まっていられないですし、自分たちはチャレンジャー。上を追い掛けるしかありません。引き分けで良いという試合は一つもなくて勝ちに行くしかないので、チャレンジャーとしてどんどん前に行きたいです」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずはわれわれのために町田からこの岡山へ、たくさんの方々が来てくれました。ありがとうございましたとお伝えさせてください。みなさんの気持ちが、最後に追い付くという結果につながったと思います。もちろん、勝ち点3を持って帰りたいと思っていたのですが、追い付く形での引き分けになったので、選手たちも少し前を向けるかなと思っています。

試合前から想定していたとおり、堅いゲームになりましたが、その中でセットプレーがポイントになるようなゲームになると考えていました。試合は立ち上がりからロングスローも含めて、押し込まれる時間帯もあったのですが、われわれはわれわれらしく、深い位置でポイントを作ってチャンスを作るという展開になりました。しかし最後の場面はもちろんやらせてくれませんでした。

岡山は普段これくらいの暑さなのでしょうが、今日は少し涼しくなってきている関東と比べると、だいぶ選手は疲労するような気候だったと思います。

どちらが足を攣っている選手が多かったかと言えば、われわれだったと思います。そういう気候の中での試合でしたが、本当に最後まで粘り強く、あきらめない姿勢を発揮して追い付くことができました。必ずこれを次につなげられるようにしたいと思います」

ーー今日は出場停止の選手が二人いない中で、交代出場の大谷選手と平戸選手がゴールに絡みました。欲を言えば勝ちたかったと思うのですが、交代で出場した選手が結果を残したことはチームの競争力のさらなる高まりにつながると思います。その点、監督はどんなお考えでしょうか?
「選手がけがから戻ってきている中で、これまでゲームに出ていたけれども今日はベンチからスタートする選手がいました。実際にそれは平戸と大谷になりますが、そういった途中から出た選手が最後、苦しいときにパワーを出してくれました。得点はセットプレーの形でしたが、交代で出た選手たちがパワーを見せてくれたことは、今後に向けて競争が高まることにつながると思います。

残り10試合となりましたが、チーム内での競争が激しくなると、さらにチームが強くなると思いますので、そういった意味でも、今日の結果は良かったと思っています」

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