いざJ1! 2年間の積み上げを見せろ……2025-J1開幕節・FC東京戦(H) プレビュー
いよいよ2025シーズン開幕です! 2年ぶりのJ1で、新シーズン一発目は相手のこともよく分からないこともあり、毎年恒例ですが、相手の番記者さんに話をお伺いして、それをもってプレビューにしたいと思います。お相手していただくのは、FC東京版のタグマ!『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』を主宰する後藤勝さんです。それでは、どうぞ。
◆変化したJ1の勢力図◆

どうもどうも、1年でJ1に帰ってまいりました!

お帰りなさい。まさか開幕戦で当たるとは(笑)

今回は必ずや残留に成功し、来年以降もJ1に定着していく所存ですので、末長いお付きあいでお願いします。ウチには山形伸之CEOが以前はFC東京のGMでしたし、去年から土肥洋一GKコーチがいて今年から三浦文丈コーチ、アマラオ非常勤ストライカーコーチがいてと、非常にFC東京色が濃くなっておりますし(笑)

鈴木準弥も新加入しましたね。あ、マルセロ・ヒアンは元気ですよ(笑)

そのよしみで開幕戦はせめて勝点1でもおいて帰っていただきたく……ということで本題ですが、去年のFC東京は7位でしたけどどんなシーズンでしたか?

波があり、取りこぼしが多いシーズンでした。連勝もするのですが未勝利期間のトンネルが長く、力を発揮しきれない印象でした。その一因には、チーム戦術がしっかりと定まっていなかったことが挙げられると思います。それによって個の力を出しきれなかった一昨年の途中にアルベル監督からピーター・クラモフスキー監督になって、去年はシーズン始動から仕切り直しというところでしたが、あまりうまくはいきませんでした

クラモフスキー監督は戦術的にはボール保持型ですよね。その前のアルベル監督もそう。ただ、去年のJ1を見ると、つい数年前に二強時代を築いたマリノスや川崎が一時は下位で低迷しましたし、新潟も残留争いと、勢力図が大きく変わった印象を受けました

川崎とマリノスに関しては、育てた選手たちが枯渇してサイクルの終わりが来たことが大きいと思いますけど、J1だけでなくJリーグ全体的に高い強度を志向する傾向が一層高まりました。ボールを握れるだけではダメで、どちらも充たしている広島が強いというのは納得ですね

昇格組で過去に一度も残留に成功したことがない横浜FCとしては、町田とヴェルディの躍進は刺激になりました

町田はすごく近年のサッカー界の反映を感じました。市場の流動性が高いことと、半年単位で対策されることへの対応なのか、スカッドを半期ごとに見直して常に強いチームを作ってきました

試合内容への批判も多かったですが、強度は高かったですし勝つために徹底していた印象です。ただ、言うても町田は今や立派な金満クラブですから、同じ低予算組としてやはり参考にすべきはヴェルディかなと

ヴェルディは町田とは正反対で、城福浩監督に任せて育て上げる方針が功を奏しました。昨年の前半、勝ちはあまりなかったですが引き分けで粘り、この間にJ1にフィットできたことが大きかったと思います。目に見えないチーム力というのは、技術、戦術のスタンダードを上げ続けるところにあるので、我慢して継続した、継続せざるを得なかったことが良かったのではないかと思います

往年のヴェルディらしさのある上手い選手を核として残しつつも、強度高く規律もあってハードワークして戦えるチームになったイメージです。選手が成長していかなければおそらく残留できないという意味では、ヴェルディ的な方向が横浜FCにとっての生き残る道だと思うので、四方田監督とコーチングスタッフに期待します

横浜FCの去年の戦い方はどうでしたか? J2では上位の戦力があったと思いますが

戦力に頼ることなく、一昨年J1でのシーズン中盤以降の堅守をベースにしていました。ただ、『残留』ではなく『昇格』するためには得点を取って勝点3を積み上げる必要があるので、当然攻撃にも力入れていました。四方田監督がミハイロ・ペトロヴィッチ監督から学んだ『3人目(の動き)』による崩しで得点を重ねていこうとしましたが、シーズン最後まで「どこが相手でも崩して点が取れる」というレベルではなかったです。昇格できたのは正直、福森晃斗のおかげですね。セットプレーはもちろん流れからのクロスも含めて全得点の4割を叩き出しました

では今年もやはり堅守をベースに?

明確にそうですね。キャンプでも守備に取り組む比重のほうが大きかったです。ただ、駒井善成や鈴木武蔵といった札幌の選手を加えたことで、攻撃での『3人目』による崩しは去年よりはスムーズになるんじゃないかというところです

やはり目標はJ1残留になりますかね

もちろんです。言うだけで良ければ『一桁順位』でも『ACL』でも吹いてほしいですけど、過去に一度も残留に成功していないクラブですからね。まして一昨年は1チームしか降格しないのに、残留に失敗して悔しい思いをしています。J1の怖さも思い知ってますし、その記憶が監督にも選手にもありますから、景気の良いことは言えないですよ
◆FC東京はボール保持と速攻の融合◆

今季の編成についてはどうでしょう?
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