【無料記事】いわきFC・渡邉匠コーチ「横浜FCサポーターの皆さんが残留させるくらいの気持ちで、しっかり今の選手たちを支えてもらいたい」……10/14 横浜FC復興支援MATCH後コメント
■渡邉 匠コーチ
──横浜FCで2013年から15年までプレーした渡辺コーチですが、今日の試合を振り返っていかがでしたか?
「本当にありがたかったなと思います。J1のクラブとの差を見せつけてもらえました。試合後、監督からも言いましたが、『これが差だよ』という話がありました。それを直接に感じられたことは感謝しないといけない。ウチが残留するとか残留しないとかは抜きにして、選手として足りないものを肌で感じられる機会というのは、同じJ2の試合ではそうそうないですから。横浜FCさんもシーズン中の大変な中で、もちろん我々に厳しさを教えてくれる目的ではないんでしょうけど(笑)、我々としては得るものしかなかったですね。それは選手だけじゃなくて、僕らコーチングスタッフも、どういうところを基準にして選手たちにもっと提示していかないといけないといったことを考えさせられた。『選手ができなかった』ではなくて、我々が普段どう選手たちを成長させられるかというところが一番大事なので、『我々の基準が甘かったな』と、すごく感じさせてもらえたことに感謝しています」
──その差というのはどういうところですか?
「チームの戦術だったりスタイルというのもありますけど、一番決定的に違うのは個人の力が差が非常にあったと思います。それを補うためにチーム戦術があると思いますけど、やっぱりまず個人戦術と個人技術のところの差は、やってる選手たちがすごく感じたんじゃないかなと。もちろんチームの戦術としても、フォーメーションだったり立ち位置も含めて、やっぱりまだ浸透できていないなと我々も感じました。でもやっぱり一番は本当に各々の個人戦術、個人技術というところの差はどうしても感じました」
──横浜FC側からすると、序盤はフィジカルで圧倒されて、押し込まれて自陣からなかなか出られない状況もありましたが……。
「確かに入りは良くて、もしかしたら『意外にやれるんじゃね?』と選手たちは感じたかもしれないですけど、最初のワンチャンスで伊藤(翔)選手がヘディングで決めるというのが、やっぱりクオリティ。そこが差なんですよ。選手たちもふだん『クオリティ上げよう』って言ってますけど、そのクオリティというのは何かというのを、あの1点目で全部教えてもらいました。たぶん横浜FCさんのチームの狙いもしっかりあったと思いますし、それこそ個人戦術のところでは、クロス精度もそうですし、相手から隠れながら前に入ってくる伊藤選手の判断もそうですし、やっぱりそういうところの差というのがあのワンシーンに詰まっていて。やっぱレベル上がってくるとこうだよね。良い試合じゃなくて、やっぱり勝負ってこういうものだよねっていうのを、あの1点目で久々に感じられたなと思います」
──点差はつきましたけど、横浜FCの得点はほとんどカウンターで、いわきFCからするとそれほど崩されたわけではないと思います。
「たぶん横浜FCさんもJ1で苦しい戦いをしている中で、相手に持たせて引き込んでカウンターでというのも狙いとしてあるのかなと思います。逆にこっちとしては、そういう相手に対してリスクマネジメントもそうですし、普通に攻めたらやっぱり取られてカウンターを受けてしまうよねということで、じゃあどこを突かなきゃいけないのかというのがやっぱり……。まあでも、最近は握れる展開も増えてはいるんですけど、J2でウチがボールを持てるというのが(少ないので)、相手がそういうサッカーをしてきたときにどうやっていくか、それで相手のクオリティが高ければこれだけ差が出るよねというのを教えてもらえました」
──最後に横浜FCのサポーターにメッセージをお願いします。
「私は3年間もいさせてもらって何もチームに貢献できなかったですけど、本当にJ1にいるクラブだと思いますし、しっかり今の選手たちを支えてもらいたいなと思います。やっぱりサポーターの皆さんがいるからこそ選手も頑張れると思うので、しっかりサポーターの皆さんが残留させるくらいの気持ちで引き続き頑張っていただきたいなと。もし、いつか対戦する機会があったら、ぜひ楽しみに三ツ沢に帰りたいと思います」
──来年J2で対戦があるかもしれない状況になってしまっていますが……。
「それだけは避けましょう! J1で待っていてください!!」