HAMABLUE PRESS

【無料記事】【コラム】神奈川新聞・須藤望夢の『保土ヶ谷通信』……第1回

 

横浜ダービーでの大逆転勝利の興奮もいまだ冷めやらぬ中、皆様いかがお過ごしでしょうか。

本来は昨日に練習が公開され、その練習レポートやコメントを更新しているはずでしたが、急きょ練習公開が中止になり、ハマプレとしても困っておりました。とりあえず、各種記事には使わなかった井上潮音と坂本亘基のコメントを起こして公開するとして、ほかに何かできないかと思っていたところ、先日の『番記者座談会』の席で神奈川新聞の須藤さんに「コラムを書いてもらえませんか?」とお願いして快諾をもらっていたのを思い出しました。

須藤さんは西谷の練習場のすぐ近くに住んでいて、ご家族で横浜FCを応援しているとか。上星川駅辺りをママチャリで走っているところを目撃されるサポーターの方も多いのではないでしょうか。「タイトルは『保土ヶ谷通信』でどうですか?」という提案も受け、ぜひお願いしようと思っていて忘れていたのですが、須藤さんは横浜F・マリノス担当でもあるので、このダービーで紙面には書ききれなかった思いもあるかと思って急きょ依頼させていただきました。

胸の高鳴りを抑えられませんでした。今季、最も楽しみにしていた三ツ沢での「横浜ダービー」。どちらも好きなクラブなので心中複雑ではありましたが、興奮のるつぼと化した“ホーム”でフットボールの素晴らしさを改めて教えてもらいました。

ご挨拶が遅くなりました。神奈川新聞社で今季横浜FCを担当しております須藤望夢と申します。少し自己紹介をしますと、お膝元の横浜市保土ケ谷区出身。学生時代は野球部に所属し、スポーツ取材の経験も高校野球、プロ野球、そして2度の五輪もアマチュア競技が中心で、サッカーに縁がない人生を過ごしてきました。

でも、横浜で生まれ育った身ですから、25年前にこの街で何が起きたかを知っています。その後の黎明期、天王町の駅前でクラブ関係者が地道に試合の告知をしている姿も記憶しています。だから、かみ締めていたこのカードが持つ意味。練習会場に掲げられた横断幕やサポーターの方々のメッセージを見るにつけ、胸に迫るものがありました。

試合の考察はハマプレさんでもされているので手短に。四方田監督が開口一番「誰も予想しなかったような、信じられない結果」と語ったように、大方の見立てを覆す結果と言えるでしょう。ただ、マリノスの担当もしている身としては思っていました。いや、そんなことはないよ、と(後出しじゃんけんになって恐縮ですが)。

井上潮音選手も「今の戦い方はマリノスとやる上ですごく相性がいい。勝てるんじゃないかなと思って試合に入った」と語っていましたが、今季、マリノスは横浜FCのような堅守速攻のスタイルに苦戦している印象。さらに攻めの美学を貫くチームなので突き放されなければチャンスはあると思っていました。

とはいえ、です。空気を変えた林幸多郎選手のゴラッソ、伊藤翔選手の面目躍如の逆転弾に、吉野恭平選手の駄目押しゴール。前からの激しいプレスや球際の強さも想像を超えました。何から伝えればいいのか分からないまま時が流れ、気付けば締め切り間際……。記者としては今季一番しんどいゲームでした。

それにしても試合前から熱狂の渦に包まれた三ツ沢。ハマブルーに染まったスタンドは壮観でした。間違いなくファン・サポーターとともにつかんだ気魄一閃の勝利。残りのホーム3戦でもあの大声援があれば、きっと最後に笑えるはずです。

ところで、地元のイベントにマメに来てくれるフリ丸をきっかけに、妻と4歳の息子はすっかり「沼」にはまっています。これで現地観戦は驚異の4勝1敗1分け。ダービー翌日は朝から鼻歌交じりにチャントが流れていました。これもフットボールが持つ魅力。我が家が明るくなるので、このまま残留決定まで突っ走ってください!!

(神奈川新聞社運動部・須藤望夢)

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