オフに届いた魅力的なオファーを断り、マリノスで日本代表を目指す。 ポープが語る「手放して去ることはできなかった」理由。
宮崎キャンプ序盤、ポープ・ウィリアムはシュートストップの際に首を捻挫して離脱を余儀なくされた。自他ともに認める好調だっただけに悔しい出来事だったが、常に全力でトレーニングに臨むのが信条なのだから仕方ない。
2月に入って久里浜に戻り、晴れやかな表情の背番号1がグラウンドを走っていた。大粒の汗を拭いながら、一歩一歩を踏みしめていく。目線は常に高く、まるで青く広がった空を眺めているかのようだった。
「首の状態はもう大丈夫。毎日がすごく楽しい。去年2回目の腰痛が治ったくらいの時から体のフィーリングや自分が目指している動きの部分でうまくいかなかった原因が明確になって、オフも継続してトレーニングに取り組んできた。今は体のコンディションも動きの質や強度も手ごたえを感じている。すごく充実して、楽しく過ごせています」
新監督の下、チームは始動日からさっそく戦術練習に取り組んできた。3バックへの変更は新鮮で、選手たちの向上意欲が増しているように見える。最後尾に構えるポープ・ウィリアムも他ならない。
「システムが変わったことを含めて、すごく新しいことにチャレンジする年になる。全員で同じ方向を向いて、それは戦術的にも気持ち的にも、同じ方向に進まないといけない。意見を出し合いながら、良いものと悪いものをピックアップしていきたい。コミュニケーションを取る監督だし、みんなでいいものを作ろうとする気持ちを感じるので、すごく楽しい」
楽しい、と繰り返す理由がある。加入1年目の昨季もサッカーを楽しもうとしていたが、現実との折り合いは予想以上に難しかった。ACLファイナルでの敗北は精神的なダメージも大きく、以降はメンタル面が不安定になる時期もあった。そこに腰痛が重なったことで、シーズン終盤は公式戦のピッチから遠ざかった。
ストレスなくプレーできる毎日は、楽しい。松永成立GKコーチの厳しい指導も、楽しい。そしてオフに起きた出来事も、再びモチベーションを上げる一因となった。サンフレッチェ広島からの誘いである。
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