「神戸との契約が終わって、いろいろ考えたけど、F・マリノス以外でプレーしたいと思えなかった。こうしてF・マリノスのユニフォームを着ていられるのは本当に奇跡」 [飯倉大樹インタビュー(前編)]
【飯倉大樹選手インタビュー(前編)】
実施日:7月27日(木)
インタビュー・文:藤井 雅彦
3年半ぶりに帰ってきた飯倉大樹が、ヨコハマ・エクスプレスの独占インタビューに応じてくれた。
プロキャリア19年目で酸いも甘いも経験した。
37歳になった彼は今、何を想い、感じているのか。
屈託のない言葉に耳を傾けよう。
それがマリノスの未来を紡ぐ一助になると信じて。
ファンやサポーターからものすごく応援されているのを感じるし、キャラ立ちしているよね(笑)
―-F・マリノス復帰が発表されたのは2月9日でした。もうすぐ半年が経つわけですが、居心地はいかがですか?
「加入した時にも話したけど、オレにとってF・マリノス以外の選択肢はなかったから。神戸との契約が終わって、年齢的にもこのあとのキャリアや人生をいろいろ考えたけど、F・マリノス以外でプレーしたいと思えなかった。どこかのチームからオファーをもらっているわけでもないのに、勝手にF・マリノス一本に絞っていた(笑)。実際、12月や1月の時点ではほとんどチャンスがなかったと思うし、このまま引退するかもしれないという覚悟で過ごしていた。だからこうしてF・マリノスのユニフォームを着ていられるのは本当に奇跡だと思う」
――クラブとしてもレアなケースだと思います。
「自分でも驚いているよ(笑)。過去に偉大な先輩たちがいろいろな形でクラブを離れていく姿を見てきたし、知っている。その時々でクラブ事情や個人の考えがあったと思うけど、すべてが良い形の結末ばかりではなかったかもしれない。その意味で、オレはファンやサポーターからものすごく応援されているのを感じるし、キャラ立ちしているよね(笑)。本当にありがたいと思っています」
――幸せオーラがすごい(笑)。では、ひとりの選手として満足度や充実感は?
「あのね、自分がプレーしている満足度とか、もうあまり関係ないのよ(笑)。もちろんプロサッカー選手としてどうでもいいなんて言ったらダメだけど、良い意味でそんなに気にしていない。クラブを離れている3年半もいろいろな人からの愛情を感じていた。神戸に在籍しているのに応援してくれるF・マリノスのファンやサポーターがいて、それは当たり前のわけがない。だから、試合はもちろんだけど、試合以外の部分でもクラブに貢献して、応援してくれていた人に恩返しがしたい。だから試合にはあまり出場していないけど、自分の中では満足している部分もあるのが本音かな」
――ここまでリーグ戦は1試合に出場。そのガンバ大阪戦は完封勝利に貢献しました。あらためて振り返っていただけますか。
「その前に出場したルヴァンカップから1ヵ月くらい間隔があったから、身体は重かった。試合勘はあまり関係ないけど、試合体力は関係あるからね。それに後半、退場者が出てしまって難しい状況にもなった。その中でやるべきことを冷静に判断して、プレーに移して、それがチームの勝利という最低限の結果につながった。自分のパフォーマンスが特別に良かったとは思わないけど、勝ったから良しとしましょう(笑)」
――アルビレックス新潟に敗れた次の試合だったこともあり、経験豊富な飯倉選手でもプレッシャーを感じたのでは?
「まず久しぶりにリーグ戦に出場するということで、プレッシャーはゼロではなかった。みんながすごく応援してくれているのも肌感覚でわかっていたし、自分の存在価値としても不甲斐ないプレーをすれば価値は下がるわけだから。
ただ、あの試合に関しては優勝を狙っているチームとして連敗だけは避けなければいけないと思っていた。それとチームとしてやりたいことのバランスをどうするか。もうちょっと若かったら、もっと強引に無理にでもショートパスをつなぐことを徹底していたかもしれない。でも、やっぱり勝つことが優先だった。そのためのプレー選択やオーガナイズを実行したつもり。
とにかくチームを連敗させたくなかった。ましてや(一森)純が契約の都合で出られない試合だったし、そこでオレみたいな年齢や立ち位置の選手が出場するわけだから、自分にとって良いプレーよりもチームの勝利が最優先なのは当たり前だと思う。
こうやって言えるのも、勝ったから。良かったね(笑)」
言ってしまえば3人目のGKコーチなのよ(笑)
――チーム最年長選手としてさまざまな役割があると思います。例えば、主に試合に出場している一森選手とはどのようなコミュニケーションを取っているのですか?
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