栃木SC U-18、怒涛の反撃も1対2で惜敗。残留の行方は最終節・東京ヴェルディユース戦へ。【試合レポート】(24.11.23)
▼後半にギアが上がったが
プリンスリーグ関東1部第17節。10チーム中9位の栃木SC U-18は残留するために勝利が必要という状況下、立ち上がりから圧力をかけていく。序盤に二度ほどクロスから絶好の決定機を迎えたが決め切れず。一方の帝京は持ち前のスキルを活かした中盤の構成力が非常に高く、栃木SC U-18は守備陣形を中へと収縮させられるなかで背後やワイドを使われ、徐々に押し込まれた。そして30分、CKを連続で与えるなかで先制ゴールを決められた。
折り返した後半は帝京にいきなり追加点を奪われる苦しい展開となったが、前半から効いていたハイプレッシャーの強度をさらに引き上げることで果実を得ることに成功する。50分、前で引っ掛けた流れからショートカウンターに繋げると9番の中丸功大(3年)が冷静に決めて1点を返す。
その後も前への圧力を緩めることなく足を動かし、ロストした瞬間の即時奪還の連続のなかでゲームを掌握していく。この日はボランチに入った10番の田代流海(3年)が中盤のセカンドボールを巧みなスキルと出足で奪い取りながら逆サイドを突いてチャンスを何度も覗っていくが、奪ったあとのグループのコンビネーションがやや雑になってしまい、フィニッシュには至らない。対する帝京高も前掛かりな栃木SC U-18の出足をうまくいなしながら背後のスペースへボールを送り込んでカウンターを仕掛け、二次、三次の攻撃を受けずにうまく時計の針を進めていく。
それでも栃木SC U-18の選手たちの足は止まることなく、選手交代も進めながら、さらに圧力を引き上げるなかで、試合終盤にはゴール前至近距離で奪ったFKから山崎柊(3年)が際どいコースに飛ばしたがポストに直撃。最後まで強度の落ちないハイプレッシャーサッカーを貫いたが、さらにゴールを奪うことはできずに1対2で惜敗した。
この結果、栃木SC U-18の順位は9位で変わらず。来週の12月1日に控える首位・東京ヴェルディユース戦に勝利できなければ9位が確定する。その場合、残留の行方は、プレミアリーグからの降格組のチーム数や、プリンスリーグ関東1部からプレミアリーグプレーオフに参戦するチームの勝ち上がりのチーム数によるなど、不確定な他力に身をゆだねることになる。

10番・田代流海
▼中盤で存在感を示した”新星”ボランチ
後半、前へ勢いを強める中、セカンドボールワークで存在感を示したのが10番の田代流海(3年)だった。ボールを回収した直後、素早く身体を寄せてくる帝京の選手をギリギリで交わしながらボールを次へと繋いでいく。
実は、公式戦でボランチでプレーするのは初めてだった。FWやワイドでプレーすることがほとんどだったが、前節の健大高崎戦から1カ月以上もリーグ戦が中断するなかで準備してきた。そして今節の直前、只木章広監督から「どうする?」と問われ、「やらせてください」と首を縦に振った。
只木監督は今季も、選手によっては複数のポジションをやらせてきた。この日は左SHに入った9番の中丸功大に3バックの右CBをやらせるなど選手をフレキシブルに配置することにまったく躊躇しない。その選手が持つ可能性を広げようとしている。
(残り 2353文字/全文: 3754文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ