「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

粘り強くゲームを進めたからこそ掴めた勝点1。【J2第7節 V・ファーレン長崎戦 レビュー】(24.3.31)

2024明治安田生命J2リーグ第7節

2024年3月30日18時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 3,904

栃木SC 1-1 V・ファーレン長崎

(前半0-1、後半1-0)

得点者:43分 マテウス・ジェズス(長崎)、90分 南野遥海(栃木)
気温 16.1℃
湿度 69%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 27 丹野 研太
DF 33 ラファエル
DF 2 平松 航
DF 17 藤谷 匠
MF 24 神戸 康輔
MF 7 石田 凌太郎
MF 38 小堀 空
MF 42 南野 遥海
MF 6 大森 渚生
FW 19 大島 康樹
FW 29 矢野 貴章
控えメンバー
GK 1 川田 修平
DF 5 大谷 尚輝
MF 10 森 俊貴
MF 14 土肥 航大
MF 22 青島 太一
FW 15 奥田 晃也
FW 32 宮崎 鴻

52分 矢野→宮崎
69分 小堀→青島
69分 大島→奥田
79分 ラファエル→大谷
79分 大森→森

 

▼ザ・マンツーマン戦術

おい、ラファエル、お前どこ行くんだよ――。

名著『28年目のハーフタイム』(金子達仁著)の冒頭と同じことを言いたくなるような光景だった。

ラファエルがマテウス・ジェズスにマンツーマンで張り付いていた。どこまでも、どこまでも。栃木はラファエルが前に出るので、守備時は4-4-2のような構えに。

そしてCFフアンマには平松と藤谷のCB2枚が張り付く。よって栃木の2トップの守備は相手の2CBとアンカーの3枚に対して数的不利となり、その他はすべてマンツーマン対応が基本だった。

 

 

守備時に細部のエラーがあり、前半は押し込まれる時間が長くなったが、大枠ではプランどおりだろう。「奪ったあと」に精度がつけば、その都度チームの重心は上がり、見え方もだいぶ変わる。

田中監督が「誤算」と表現したように、43分の失点がなければ、スコアレスのまま折り返した60分過ぎ頃に一気に勝負をかける、そんな目論見だったはずだ。

同等の戦力のチームに対してこれをやれば「消極的」と言われても仕方がないが、個々の戦力で上回る長崎に対してうまく戦えていた。

 

冒頭に書いたとおり、序盤から相手の2CBとアンカーの3枚に対して2トップがどうにか規制を掛けようと試みていたが、大島が「もう少しうまく規制を掛けることができれば」と悔やんでいたとおり、あまり成功したとは言い難い。

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