「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

一つにならないとどこにも太刀打ちできない。【J2第38節 モンテディオ山形戦 レビュー】(23.10.10)

2023明治安田生命J2リーグ第38節

2023年10月8日14時キックオフ NDソフトスタジアム山形

入場者数 7,482

モンテディオ山形 2-0 栃木SC

(前半1-0、後半1-0)

得点者:31分 藤本佳希(山形)、53分 宮城天(山形)
気温 20.8℃
湿度 47%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 33 ラファエル
DF 16 平松 航
DF 6 大森 渚生
MF 31 石田 凌太郎
MF 7 西谷 優希
MF 4 佐藤 祥
MF 21 吉田 朋恭
FW 19 大島 康樹
FW 32 宮崎 鴻
FW 13 植田 啓太
控えメンバー
GK 25 青嶋 佑弥
DF 30 福森 健太
DF 40 高嶋 修也
MF 45 安田 虎士朗
MF 8 髙萩 洋次郎
FW 29 矢野 貴章
FW 99 イスマイラ

64分 石田→福森
64分 植田→イスマイラ
72分 大島→安田
72分 西谷→髙萩
72分 宮崎→矢野

 

▼選手同士のマインドが合っていない

何度も映像を見直した。選手個々は何とかしようとしているが、個々でどうにかしようとしているので、チームの力として最大値を出力できていない。そして全体の繋がりが希薄になったときに相手の個にやられている。

この試合の大きな分岐点は先制ゴールを奪われるまでだ。

序盤は5-4-1を基本ベースに、相手がボールを下げたときには前線がプレスのスイッチを入れてできるだけ前から行こうとしていた。試合前の時崎監督の指示は「前へ」が基本線だったからだ。

この時間帯は、宮崎をハーフウェイライン辺りに守備ブロックの頂点として置いて、宮崎から最終ラインまでの距離感はおよそ20mほどだった。中盤と最終ラインの間も非常にコンパクトであり、10mもないほどの距離感。

その間に山形の前線が入ってきてもクローズな空間で中を締めるように守備ができていた。その空間ならば山形の選手たちもスキルを発揮する余裕はない。ほとんどチャンスを作らせずにやり過ごせていた。

 

散発的ではあったが、宮崎にボールを入れてセカンドボールを奪えたときにも相手ゴールにも迫れていた。15分にはスローインから宮崎が起点を作り、左サイドへの展開から吉田のクロスに宮崎が頭で合わせた。

WBの吉田が宮崎起点のセカンドボールに目を光らせ、中にポジションを取って狙っているのも新鮮だった。この時間帯にセカンドボールを中で奪って、そのまま運んでミドルシュートを打ち切っている。

ただ、前で奪い切ってショートカウンターという形は作れていない時間帯だった。

要するに、栃木の攻撃はFW起点でセカンドボールを拾えたときか、ショートカウンターから手数をかけずにゴールに迫るか、どちらかになるが、その片方を表現できていなかった。本来それをやりたいが、全体が5-4-1で後ろにコンパクトを作り、しっかりと守ろうとする姿勢だったので、そうはならなかった。それはそれでいいのだが、大島の話によれば、この前半の20分から25分の時間帯、プレーが途切れたときにピッチ内で選手たちが話し合って「前へいくぞ」と申し合わせたという。

 

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