「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

黒﨑隼人が駆け抜けた充実の1年。「自分がこのチームを引っ張るんだ、とより強く思わせてくれたシーズンでした」【今季振り返りインタビュー】(22.11.14)

シーズンの序盤は苦労したが、コンディション面も含めて徐々にフィット。選手として一つ大きく階段を駆け登ったシーズンとなった。試行錯誤の時期とシーズンのターニングポイントに触れつつ、今シーズンを振り返った。(インタビューは11月14日に実施)

 

▼印象深い試合はアウェイ徳島戦

――今季を振り返ったときに個人的に印象に残っている試合はありますか? シーズン中にはアウェイでの24節山形戦(○2-0)がターニングポイントだったと聞きましたが。

「少しホッとした、気持ちが楽になった試合はアウェイでの17節徳島戦(○1-0)です」

――(矢野)貴章さんの決勝ゴールで10試合ぶりに勝った試合。

「そうです。何試合も勝てていない状況で、苦しい展開の中でどうにか点を獲って、その決勝ゴールを自分がアシストできて、そして勝利した試合。自分たちがやろうとする理想的な戦いも大事でしたが、まず勝つために全員が守備をして、カウンターも出せた試合でした。あの試合はすごく大きかったと思っています」

――栃木が今年やろうと目指す戦いがある一方、なかなか勝てない時期に勝つことに重きを置いて結果を出した試合。

「そうですね」

――シーズンを戦っていく上で自分たちの最低ラインを引けたという感覚ですか?

「そうですね。結局、やるのは僕たちなので。相手も僕たちの分析をしながら戦術を駆使してくるし、その中で貴章さんら経験がある選手もいる中、ずっと徳島に攻められっぱなしという展開は結構悔しかったですけど、でも栃木の良さは粘り強さだし、それは今まで積み上げてきたものだと思っていて。それは僕がまだユースにいたときのトップチーム監督の松田(浩)さんのときに守備のやり方や考え方を教わったと思っていて、それを今なお継承している選手は少なくなっていますけど、でも周りからはいつも『栃木は守備堅いよね』と言われるんです。そうした自分たちの強みを発揮して、あそこで一つ勝てたことですごく楽になったなと思うんです。また栃木がやりたい理想を求めるためにも必要な勝利だったと思うし、選手たちの気持ちや自信を取り戻せた試合だったと思います。一つ勝てば何かが変わると思っていましたが、実際にあの試合の勝利は本当に大きかったと思っています」

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