「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【レポート】ヴェルフェたかはら那須 上位に食らいつく勝点3、次戦10日は「関東制覇」に向けて大勝負となる首位横浜猛蹴戦。

上位に食らいつく勝ち点3

 

第50回関東サッカーリーグ(KSL)1部は、6月26日に後期がスタート。前期を2位で折り返したヴェルフェたかはら那須は、同日の第1節で流通経済大学FCと1-1で引き分け、7月2日のさくら市総合運動公園さくらスタジアムでの第2節で、さいたまSCを3-1で退けて、通算成績を6勝3分け2敗の勝ち点21とした。

 

さいたま戦のヴェルフェは、立ち上がりから動きに精彩を欠き、堀田利明監督からは「もっと走れ」などと声が飛んだ。堀田監督から気合を入れられ、積極的にボールに絡むことで徐々に流れを引き寄せたヴェルフェ。13分には、左サイドのFW森本恭介からパスを受けたFW神村秀斗が右足を振り抜いて先制点をゲット。30分には、森本からの左クロスにMF高橋祐樹が頭で決めて2点リード、そのまま前半を折り返した。

 

しかし、後半は様相が一変。ヴェルフェのキックオフでスタートしたが、「最初のワンプレーの緩さがチーム全体に伝わった。『(前に)行くんだ』の思いが出てなかった」(堀田監督)ことで相手の流れに引き込まれ、立ち上がりの2分に失点、1点差に詰め寄られる。

その後も、繰り返し圧力をかけてきた相手に苦しめられたが、GK小林庸尚主将を中心に体を張ったプレーでゴールを割らせない。すると、試合終了間際のロスタイムにハーフウェーライン左寄りでボールを奪った神村が、自ら持ち込んでシュートを決めて値千金の3点目を奪取。苦しい状況を何とか凌いで勝利を引き寄せた。

 

FWとして2得点の神村について堀田監督は「自分でどんどん行け、と言って送り出した。良い意味で強引なところが見られ、ゴールにつながった」と評価。神村は「積極的にシュートを打てたことが良かった。これらかも全精力を傾けて戦っていく」と残りのリーグ戦へ向けて改めて気合を込めた。

ただ、試合全般については、DF遠藤雄二が「点の取られ方が最悪。自分たちからピンチを招いてしまった」、試合では誰よりも声を張り上げるDF上沢拓也が「全員が人任せでまとまりに欠けている面がある。ピッチ内外でもっと活気づけたい」、小林主将が「球際に行かず引く守りになったことで崩された」と各選手から反省の弁ばかりで、スコアとは裏腹に苦しい試合だったことをうかがわせた。

 

10日の次戦は、3日の試合で、前節まで首位のVONDS市原FCを3-0で破り、入れ替わって首位に立った横浜猛蹴戦。小林主将は「優勝に向けて生き残るには重要な一戦。チームの真価が問われる試合でもあるので、何としても勝ち点3を取りたい」と気合を露わにする。

勝ち点差2で4位につけるヴェルフェにとっては、「関東制覇」を目指す上での今季を占う大一番となることは間違いない。

(文・写真 永島一顕)

 

◆さいたまSC戦の出場選手

GK①小林庸尚

DF③上沢拓也

DF㉔遠藤雄二

DF㉗高野修栄

MF⑧髙橋祐樹

MF⑮小林俊介→90+3分MF⑳佐藤秀人

MF⑦高秀賢史→60分DF②箕輪圭祐

MF⑪関敏史→67分MF⑥秋谷直紀

MF⑩小野優二

FW㉙森本恭介

FW⑲神村秀斗

〔得点者〕

13分 神村秀斗

30分 高橋祐樹

90+3分 神村秀斗

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