【インタビュー】『でっかい三角形を目指そう』東京ヴェルディユース 小笠原資暁監督(25.4.10)
『でっかい三角形を目指そう』東京ヴェルディユース 小笠原資暁監督
4月5日、高円宮杯プレミアリーグEASTが開幕。11年ぶりの復帰となった東京ヴェルディユースは、第1節、川崎フロンターレU‐18に2‐3の敗戦を喫している。
最高峰のリーグをいかに戦い、選手を育てていくのか。東京Vのアカデミーが輩出した多くのプロ選手の育成に携わり、今季から東京Vユースを率いる小笠原資暁監督に訊いた。[インタビュー収録:3月26日]
■どうしてもプロ選手になりたかった
――今季、東京ヴェルディユースは2014シーズン以来、11年ぶりに高円宮杯プレミアリーグEASTに復帰。ユースを担当するのはいつ以来になりますか?
「永井秀樹さん(現ヴィッセル神戸スポーツダイレクター)が監督のときにコーチをしていた2017年以来ですね。そのあと日テレ・ベレーザのコーチを3年、ジュニアユースの監督を4年やって、今年という流れです」
――今回はプレミアリーグをどう戦い、選手の育成を進めていくのか。また、これまでアカデミーで指導し、現在トップに所属する選手たちについて聞かせてください。その前に小笠原監督の謎に包まれた経歴の確認を。ご出身は?
「中1までは八王子です。長野に引っ越して、高校卒業まで過ごしています。ずっとサッカーをやっていて、プロ選手になるにはどうしたらいいのだろうと」
――伊那北高校は県下有数の進学校ですね。とりあえず大学へ、という考えは?
「なかったんです。当時の担任の先生に『大学進学の意思がないのは小笠原くんだけだ』と言われましたね。とにかく練習して上達し、プロになろうと考え、神奈川県の社会人チームに入れてもらいました」
――いまふうに言えば、だいぶイタい子。
「本当に何考えてんの? みたいな感じです。関東リーグに入るような強豪でもなく、コーチもいない。夜に選手だけ集まって練習し、週末に試合。あとはひとりで走ったり、公園でボールを蹴るぐらいです。そんな毎日で巧くなるわけがない。それでもプロになりたいとトライアウトを受けるのですが、当然のごとくダメで」
――向こうからすれば、一体誰なんだ君は、といった受け止め方でしょう。
「巧くなりたい気持ちは人一倍あっても、自分が巧くなっている実感を一切持てないんですよ。どうすればいいのか考えた結果、コーチの勉強をすれば何か変わるかもしれないとC級ライセンスの講習会を受講したんです。そこで、木村浩吉さん(横浜F・マリノスの監督やJFAナショナルコーチングスタッフを務めた指導者)がインストラクターをされていて、初めてプロの指導者に接しました。
それまではサッカーをやるのは選手だから、指導者なんて関係ないだろうと浅はかな考えだったんですが、これはすごいなと思いましたね。説明がわかりやすく、選手役をする自分がどんどん巧くなっている感覚がある。指導の仕方によって、こんなにも違うんだと。面白さを感じ、コーチの仕事に興味が湧いてきたんですね」
――そのときの年齢は?
「21か、22歳でした。コーチになるにはどうすればいいのか。その頃、プレミアリーグのアーセナルが全盛期で、このサッカーを現地で見てみたい、英語の勉強もしたいと思い、イングランドにいくことにしました」
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