「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【インタビュー】A Secret on the Pitch ピッチは知っている〈1〉 岩清水梓(日テレ・ベレーザ)前編(2016/07/01)

次の展開を予測し、クレバーなディフェンスを見せる。

次の展開を予測し、クレバーなディフェンスを見せる。

■「もう一緒にやることはなくなるんだろうな」(岩清水)

――3試合で勝点1。これでほぼ勝負が決まっちゃいましたよ。僕は、あのときの報道について、全部うそだとも全部本当だとも思いません。ただし、チームの機能性に支障をきたす要素はいくつかあったのだろうと。
「チームがうまく機能しなくなったのは事実。やるべきサッカーでまとまらなければいけないところを、それぞれがやりたいサッカーに向かって、バラバラになったような。代表は所属チームで結果を出している選手が集まっているから仕方のない面はあるんですけどね。ズレによって少しずつ距離感が遠くなり、奪われたボールを回収できない、サポートが間に合わないといった負の連鎖はプレーしながら感じていました」

――佐々木監督が最後の会見で「ゴシップ」と評した数々の記事。ああいったことはチームに影響したと感じますか?
「それはないと思います。自分たちも読んではいましたよ。スマホでニュースサイトを見ていたら、おすすめページに出てきちゃう。こんなこと言ってるの? へえ、と。基本的にほかの人がどんなことを話しているのか、わからないじゃないですか。それを間接的に知って、そうか、そうかと。笑って済ましていましたが、なかには鵜呑みにしちゃう人もいたのかな」

――最後の練習は、ちょっとセンチメンタルな空気に?
「その感じはありましたね。リオ五輪を逃したから、全部が新しくなる。もう一緒にやることはなくなるんだろうなと、みんなで記念撮影を」

――ふだんはしないんですか?
「大会の最後はたまにあったかな。自分もそんな気持ちになったんで、記念に撮らせてもらいました」

――今季のベレーザについては、それもやや気がかりでした。大きな目標を失い、モチベーションに影響は?
「そこはあまり影響を受けてない。クラブと代表は切り離して考えているところもあるので。リーグ連覇を目指してやれるのが、いいモチベーションになっています」

※後編は7月7日に掲載します。

◎岩清水梓(いわしみず・あずさ)
1986年、岩手県生まれ。大沼SSS‐NTVメニーナ‐日テレ・ベレーザ。素早く危機を察知し、身体を張ったディフェンスでチームを支えるセンターバック。ヘディングに強く、セットプレーでは「イワシヘッド」が炸裂する。なでしこリーグ、ベストイレブン10回。国際Aマッチ122試合11得点。各年代の日本代表に選出され、2006年になでしこジャパンデビュー。以降、代表に欠かせない選手のひとりとして、2011年のFIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会の優勝をはじめ、数々のタイトルを獲得した。

【告知】
●次回ホームゲームは、7月24日(日)。なでしこリーグ1部第8節、伊賀フットボールクラブ戦@BMWスタジアム、16:00キックオフ。

●ベレーザ創部35年記念誌 『ベレーザの35年 日本女子サッカーの歩みとともに』が発売中だ。ベレーザOGや現役選手のインタビューのほか、歴代監督の座談会、記録集など充実の内容。限定1000部で、価格は1620円(税込み)となっている。ご購入は東京ヴェルディ オフィシャルウェブストアまで。

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