岡田優希選手(ギラヴァンツ北九州)/「自分が選んだ選択を正解に」。逆境に抗うアタッカーの覚悟【連載・元町田戦士の現在地52/コラム】
■明治安田生命J3リーグ第29節
9月30日(土)14:00キックオフ
相模原ギオンスタジアム/2,364人
SC相模原 2-1 ギラヴァンツ北九州
【得点者】相模原/64分 安藤翼、74分 安藤翼 北九州/47分 野瀬龍世
▼「二ケタ得点は必ず取りたい」
12分、左サイドでのカットインから右足を振り抜いたシュートは相手がブロック。直後のCK、ギラヴァンツ北九州の岡田優希はゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で不運にもノーゴールとなった。「彼にボールが入ったら何をするか分からないクオリティーがある」。試合後、敵将の戸田和幸監督が警戒していた通りのクオリティーを岡田は発揮していた。
左サイドハーフで先発した岡田は2トップの一角である平山駿との連係プレーや背後を突く動きで相模原守備陣に挑んだ。そしてチームとしては「テンポの良いサッカーが前半はうまくいった」(小林伸二監督)北九州が、残留争い直接対決の試合を後半立ち上がりに動かした。
突破口を切り拓いた選手が岡田。47分、序盤から良い関係性を構築できていた平山からのパスを受けた岡田は、相手DFを引き付けて再び平山に戻し、平山からのパスを野瀬龍世が決めた。バイタルエリアで起点となった岡田は自身のプレーについて「前を向ければ違いを生みせるし、それを武器としている」と胸を張った。
歓喜に沸く北九州イレブンと相模原ギオンスタジアムに駆けつけたサポーター。しかし、その後に悲劇が待っているとは思いもしなかった。
ターニングポイントは元町田戦士である戸田SC相模原監督による58分の3枚代え。主に前線の個性を変えたことが次第に戦況の変化を生み出した。
交代策の効果がまだ見えてこなかった74分、右サイドのオープンスペースへ走り込む牧山晃政へ國廣周平がロングフィードを通し、牧山の折り返しをデューク・カルロスがスルーすると、安藤翼による当たり損ないのシュートが功を奏する形で北九州ゴールに吸い込まれた。
追いついたことで精神的にも余裕が生まれた相模原は、72分の2枚代えを機にさらにギアアップ。その2分後にはロングカウンターの展開からデュークのパスを安藤が2点目の逆転ゴールへと結実させた。選手交代を準備していた北九州にとっては、痛恨の失点。その後の反撃も実らず、岡田を擁する北九州は残留争いの直接対決に敗れた。
試合終了直後、北九州はひざに手をつく選手が続出。痛恨の敗戦を物語るワンシーンだった。また取材エリアに姿を現した岡田も、さすがに失意に暮れた様子は拭えなかった。岡田は北九州の現状をこう語る。
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