「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】今季限りでの退任発表を受けて。ランコ・ポポヴィッチ監督「飛行機が飛び立った時に泣くことはあるかもしれないが、今は泣いている時間はない」【三輪緑山ニュースレター】

9月28日、クラブはランコ・ポポヴィッチ監督、唐井直GM、三島俊孝強化部長が契約満了により、今季限りで退任することを発表した。その一報を受けて、ポポヴィッチ監督が心境を語った。

町田での指揮もあと4試合+プラスαに

■ランコ ポポヴィッチ監督
ーー今季限りでの退任が発表されました。まずは目の前の徳島戦ではどんなゲームを見せたいと思っていますか。
「契約がある、なしで見せたいものが変わるわけではありません。私自身の情熱やサッカーへの愛情、忠誠心はここに来た初日から変わっていませんから。初日から言ってきたことですが、私の仕事は現実を見つめて着実に仕事をしていくこと。大きなことを言うのが私の仕事ではありません。そういった意味では自分のやれることは全力でやり切ってきました。サポーターのみなさんや支えてくださるみなさんのために、同じエネルギーを発して、100%やり切ることを徹底してきました。それがみなさんに見せられる最大限のリスペクトでもあります。私はクラブのために、というよりは、クラブと共に生きています」

 

ーー選手たちにはどんな姿勢を求めたいですか。
「選手たちに求めたいことは、トレーニングでやっていることを試合でそのまま出すということ。ただ選手たちを見ても分かるように、ピッチでサボっている選手は誰もいません。町田では120試合近くを戦ってきましたが、全然ダメだったという試合は、恐らく10試合もないでしょう。やる気もなく、サボっている試合はありませんでした。そういった視点でも選手たちを見てください。全力を出して走り切ってきました。ここに来た選手で圧倒的に実力の落ちた選手はいますか?こういう話をすると言い訳に聞こえるかもしれませんが、外側から見えること以外の部分で評価することも大切ですし、それもサッカーの一部です。

順位上はみなさんの期待に応えられず、残念な気持ちはあるかもしれませんが、ここで見せたプレーのクオリティー、やってきた仕事に対しては評価していただきたいと思います。私もこのクラブの歴史を見てきた一人ですから、以前はどうだったのか。どういう成長を遂げたのか。このクラブにはすごく愛着がありますし、クラブは人が入れ替わっても生き続けるもの。その一人として貢献できたとは思っています。これからもクラブの発展を願っています」

 

ーーこうした発表があると、どうしても感傷に浸る部分があります。そうした感情は大きなエネルギーに変わるのでしょうか。
「ポジティブな力に変わると信じています。もちろん、この3年間、ともに働いてきた人と別れるのはツラいことです。多くの時間を共有してきましたし、ともに過ごしてきた時間は濃かったですから。ここを離れることは単純にツラいし、悲しいし、心労的にも苦しいことです。子どもと親が離れ離れになって泣くのと同じようなことです。一方で発表があった後に、多くの言葉をいただいて、どれだけ充実した3年間だったのか。それにも気付かされます。私は町田ファミリーと話してきましたが、そういうふうに思ってくださる方が多いということは、町田ファミリーを構築できた実感があります。ここを離れる日に成田空港から飛行機が飛び立った時に泣くことはあるかもしれませんが、今は泣いている時間はありません。私にとっても幸せな日々を過ごせた3年間でしたし、この3年間を忘れることはないでしょう」

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