「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「こういう非常に難しいゲームを勝つことで、選手たちはまた自信をつけてくれると思う」+徳島・リカルド・ロドリゲス監督、大本祐槻【徳島ヴォルティス戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第17節・6月2日(土)16:00キックオフ
鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム/3,615人
徳島ヴォルティス 1-2 FC町田ゼルビア
【得点者】徳島/35分 島屋八徳 町田/17分 中島裕希、48分 吉濱遼平

 

■リカルド ロドリゲス監督(徳島)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「全体的に見れば悪くない内容だったのかなと思います。特に前半は数多くのチャンスを作って、1点を取ってしっかり追いつけました。ただ、ほかにもチャンスがあった中で決められませんでした。そこは改善しなければいけません。チャンスがあっても決め切れなければ勝てる試合も勝てなくなってしまいます。後半に失点してしまいましたが、全体的には勝てる試合を落としてしまったという印象です。町田のほうが決め切る決定力が高かったです。

失点場面ですが、最初に2点目のほうから説明させてください。町田はサイドをうまく使って、そこから中央へ持ち込み、中央からフィニッシュまで持ち込んでいく攻撃を繰り返してくるという話をずっとしてきました。実際に2点目はその形からやられてしまいました。それを止めるための練習をしてきたので、そこは止めなければいけませんでした。ただ、失点の前の場面で杉本太郎選手が主審の前でファウルを取ってもらえなかった場面から生まれたカウンターでもあります。そこは理解していただきたい部分でもあります。

もう一つが、FKを合わせられて失点してしまいました。町田の怖さは外から中への攻撃、セットプレーの二つでした。まさにそこから1点ずつを決められてしまいました。後半はセットプレーやクロスボールの応酬になってしまいましたが、そこで決めることができずに敗戦しました。ただ、繰り返しになりますが、全体的な内容としては悪くなかったと思います。しかしながら、悪くなく、良い内容の試合ができているのであれば、絶対に勝たなければいけないと思います」

ーーセットプレーのチャンスが多くありながら、得点することができなかったことについてどう思っていますか?
「もちろん毎週トレーニングしていますが、今日は入り込むタイミングや精度が不足していたということです。セットプレーでのゴールの確率を高められるよう、繰り返しトレーニングをやっていきます」

ーー同じくセットプレーでの守備に関して、相手選手が先にボールを触る場面が多かったように思うが?
「町田の動き方に特徴があったように思います。われわれは1列に並んで守備をしていますが、町田の中で合わせる選手たちは弧を描きながら走り込み、われわれの最終ラインが下がるタイミングを利用していたように思います。われわれはこの守備のやり方を選んで臨みましたが、そこをうまく突かれたように思います。セットプレーは町田にとって大きな武器です。どのゲームでもチャンスを作って得点していますので、警戒しなければなりませんでした」

ーー杉本太郎選手、広瀬選手、狩野選手がけがから復帰して出場を果たしました。
「杉本太郎選手はまだ90分間出場できません。今日に関しては70分という時間制限があったので、リスクを冒すことなく交代させました。途中から入った広瀬選手については、スペースを見つけて深い位置まで侵入することや、DFの間で顔を出すなど、右サイドを活性化したと思います。狩野選手も前線で何度かチャンスを作ってくれました。二人ともまだまだコンディションを上げていかなければいけませんが、今できることをしっかりと表現してくれたと思います」

 

■DF 27 大本 祐槻(徳島)
なぜ勝ち切れないだろう、という試合が続いている
「良い攻撃をできているという実感はありました。町田は全体をコンパクトにした独特のサッカーをしてくるので、ウッチー(内田)と僕の両サイドが鍵になると思っていました。二人がゴールチャンスを作ることや僕が前半につかんだ決定機などを決められていないことがこの結果や順位につながっているので、悔しさでいっぱいです。(押し込んでいましたが、シュート数では町田のほうが上回っていました)クロスで終わってしまうことやシュートを打てる場面でシュートを打てなかったですね。町田はしっかりとシュートで終わっていましたし、シュートの意識も高かったです。それがシュート数に表れていると思います。

広瀬選手は僕がやりやすいようなポジションも取ってくれましたし、右サイドで組みましたが、お互いに声を出しながら良い関係を築けたと思います。二人の良さを出し合えるようにしていきたいです。年下ですが、プロ歴は彼のほうが長いので切磋琢磨していきたいです。

左サイドを押し込まれている中で、そこでセカンドボールを拾うことやボールを奪うことで右サイドが空いていたので、結果的に攻撃を仕掛ける形を作ることができました。前半はそういう形が多かったので、右サイドから僕が攻め込む形を作れたと思います。求めていた形で攻めることもできましたし、負傷から戻ってきた選手もいました。負けた試合でしたが、ポジティブな材料があります。なぜ勝ち切れないんだろう、という試合が続いていますし、一人ひとりが自分に矢印を向けて、下を向かずに取り組んでいきたいです」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いします。
「このような悪天候の中、この遠い徳島までわれわれのサポートに来ていただいたファン・サポーターの皆さんにありがとうございましたとお伝えさせてください。非常にタフなゲームでしたが、ギリギリの最後の場面で足を出す、体を張る、最後に戻る、今日のような試合展開ではそういったことが必要とされる中で、みなさんの声援が選手たちにあと一歩の部分を出させてもらう要因になったのではないのかなと思っております。

ゲームのほうですが、ピッチコンディションの影響もあったのか、お互いに球際の攻防が非常に多いゲームになったかなと思います。そういう中でセカンドボールをどちらが取るか、またその拾ったセカンドボールをどちらが良い形で運び出すか、そういうことがポイントになったゲームだったのではないかと思います。その観点で言えば、前半は特に立ち上がりわれわれよりも徳島さんの方がリズムが良かったと思うのですが、セットプレーから点を取ることができました。

われわれとしては特に立ち上がりの10分、15分くらいは本当に中盤でセカンドボールを拾われて、ガッとゴール前まで入ってこられるような時間帯が多かったのですが、そうした展開をわれわれのディフェンスラインの選手を含めて、なんとかしのぎながらそうやって先に得点を取ることができたことは、本当に大きかったと思います。

そのあとはGKの(福井)光輝のミスで失点した形になりましたが、もちろん3回も彼に蹴らすことになってしまったことは、考えなければいけないことす。彼だけの責任ではないと思いますが、そういう中で相手にとっては、ホームで勢いを出すような形で前半を折り返すことになりました。

後半については、前半からあれだけ徳島さんが前から来ていたため、後半の立ち上がりは少し足も止まるだろうということを伝えながら、選手たちには少し後手に回る展開だったため、もう一度ネジを締め直して、こういうゲームを勝ち切ろうという声がけをして、彼らを送り出しました。その結果、早い時間帯に良い形で、実にわれわれらしい形で点を取ってくれたなと思っています。

途中からはホームの徳島さんの圧力が高く、われわれはなかなか裏にも攻め上がれなくなり、セカンドボールを拾われる回数も増えていくといった非常に苦しい時間帯が続いたのですが、最後に選手たちは体を張って守り切ってくれました。非常に難しいゲームだったのですが、こういうゲームを勝つことで、選手たちはまた自信をつけていってくれるかなと思います。初めて徳島の地でわれわれは勝ち点3をつかむことができました。そういったことを含めて、またこの後のゲームにつなげていけるようにしていきたいなと思います」

ーー今日は最終ラインにリーグ戦という意味では初出場となる下坂晃城選手といったフレッシュな選手を起用しました。天皇杯の流れを汲んだ部分と汲まなかった部分がある中、最終ラインでの下坂選手の起用の意図と実際の試合の中で反映されたパフォーマンスについて、どうだったのか教えてください。
「下坂だけに限らず、水曜日の天皇杯では、内容面でも非常に良いゲームをしてくれて120分を戦ってくれたのですが、勝ちを収めたことにより、天皇杯で今季初めて出た選手も含めて、確実にチームに良い自信を与えてくれたと思っています。そういう中で、シモ(下坂)は天皇杯では初めての出場だったのですが、今日も続けて出てもらいました。

対人の部分の強さは当然のこととして、水曜日の天皇杯では攻撃面でも非常に良い形を作ってくれていたので、今日の試合でももう少し攻撃に出る時間を本人も作りたかったと思っているでしょうし、チームとしても彼が攻め上がる形を作りたかったのが正直なところですが、なかなかそこまでいけなかったのが事実だったかなと思っています。ただ、彼にとっては120分を戦った後の連戦となりましたが、本当にタフなゲームをよく頑張って戦ってくれたなと思っています」

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