「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開・コラム】J3第25節・SC相模原戦/“武相決戦”第2ラウンド、“ダービー”の重みを知るからこそ

■明治安田生命J3リーグ第25節13:00キックオフ
相模原ギオンスタジアム
SC相模原 vs FC町田ゼルビア

0802_0300 (1)©FC町田ゼルビア

▼それぞれの“ダービー”にて

 

“武相決戦”第2ラウンド開戦ーー。第6節、敵地での前回対戦では、1-2の敗戦を喫しているFC町田ゼルビアが、雪辱を期して再びSC相模原の庭・相模原ギオンスタジアムに乗り込む。

夏の移籍市場で町田に移ってきた森村昂太は、初の武相決戦を迎えることになるが、プロデビューを果たしたFC東京では“東京ダービー”を、ギラヴァンツ北九州とアビスパ福岡では、“福岡ダービー”を経験してきた。特に“福岡ダービー”は、ダービーを形成する両チームに所属していたこともあるため、“ダービー”の重みを十分に理解しているという。

「例えば、北九州のときはアビスパ戦前の週の中日に小倉駅でチラシを配っていると、『アビスパを倒そうぜ!』と話しかけられることもあった。サポーターと触れ合う中で、サポーターは選手以上にダービーに向けて気持ちが入っているものなんだなと痛感した。(武相決戦は)気持ちが入っているサポーターもたくさんいるし、熱い試合になるんじゃないか」

初体験となる武相決戦に向けては、「ダービーの雰囲気はほかで経験しているので慣れている。ただ実際にピッチに立ったらどうなるか。でもモチベーションは勝手に上がると思うので、平常心を保って戦っていきたい」と、高ぶる気持ちを抑えながらも、冷静に戦うことを強調していた。

前回対戦の相模原戦ではFWとして先発出場を果たした宮崎泰右も、浦和レッズと大宮アルディージャがしのぎを削る“さいたまダービー”と、水戸ホーリーホック、ザスパクサツ群馬、栃木SCが雌雄を決する“北関東ダービー”を経験している。

「ダービーに関しては、サポーターが選手以上にダービーであることをすごく意識していると思っている。気持ちで絶対に負けてはいけないし、ダービーで勝てばもっとサポーターの信頼も勝ち取れて、もっと大きな声援をもらえるようになる」(宮崎)

新たに“ゼルビア・ブルー”のユニフォームに袖を通した選手たちも、“武相決戦”で勝つことの意味を十分に理解している。

今季の武相決戦は、3度の対戦結果次第で来季以降の相模原戦のネーミングが変わる試み(※注)が展開されている。来季のJ2復帰を目指す町田にとっては、来季、相模原戦が実現しないことが良い結果の一つだが、近隣のライバルチームに勝ち越すことなくして、上のカテゴリーに昇格するわけにはいかない。

「まずは(武相決戦の)2戦目を勝って終わりたい。絶対に勝ち点3を取って、たくさん駆け付けてくれるであろうサポーターの方々と勝利の喜びを分かち合いたい」

新加入選手ながらも、主将リ・ハンジェとともに中盤を支える森村は、しっかりと前を見据えて、武相決戦での勝ち点3奪取を誓った。

Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

 

※注)相模原、町田両クラブの対戦を盛り上げるために、来季の町田vs相模原の一戦のダービー名を、今季の3試合の結果によって決定するという試み。これまで町田側は『武相決戦』、相模原側は『相武決戦』と呼んでいたが、2015年の直接対決3戦合計で勝ち点が上回ったチーム側の名称が翌年の対戦でダービー名として使われることになる。仮に町田側が勝ち点で上回った場合は従来どおり、『武相決戦』と銘打ち、特別横断幕が試合会場に掲げられるほか、相模原側のホームゲームでも、『武相決戦』という横断幕が掲げられることに。もちろん、相模原側の公式サイトや試合告知ポスターなども『武相決戦』と銘打つことが義務付けられるという。

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