「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開・元町田戦士の現在地特別編】加藤恒平がポーランド1部リーグデビュー。開幕戦でマン・オブ・ザ・マッチを獲得!!

■ポーランド1部リーグ第1節
ザグウェンビエ・ルビン 1-1 TSポドベスキジェ・ビェルスコ=ビャワ

 

▼ダブルボランチの一角で先発フル出場

 

かつてFC町田ゼルビアに在籍し、2015-16シーズンからポーランド1部リーグ、TSポドベスキジェ・ビェルスコ=ビャワに新天地を求めていたMF加藤恒平(26)が7月18日、ポーランド1部リーグデビューを飾った。アウェイでの開幕戦となるザグウェンビエ・ルビン戦に右ボランチで先発出場した加藤は、タイトなディフェンスや激しい球際など、自身のストロングポイントを随所に発揮。31分には右足のミドルシュートでゴールを狙うなど、“ポーランド初シュート”も記録した。

44分にはカウンターを食らう展開から、相手のアタッカーとペナルティーエリア内で1対1の場面を迎えたものの、体を張ったシュートブロックで危険な芽を摘んだ。攻めても機を見た攻撃参加でエリア内にも積極的に侵入。後半開始早々には右サイドをドリブルで駆け上がって、相手の厳しいファウルを受けるなど、守備だけにはとどまらない働きぶりで、ポーランドのピッチを駆け抜けた。

試合はチームが開始早々に先制点を奪ったものの、終盤の86分にPKで失点を喫し、1-1の引き分けで開幕戦を終えている。

開幕戦でスタメンフル出場を果たした加藤は、この試合のマン・オブ・ザ・マッチを獲得。本人は「ただただ勝ちたかった。その思いが一番強い」と話したように、開幕戦でチームが勝てなかったことを悔いたが、上々のポーランドデビューと言っていいパフォーマンスだった。

「初めてのポーランドリーグだったけど、自分のプレーに集中していた。そうすれば絶対にやれると分かっていたし、とにかく普段どおりにやること。それが一番大切だった」と、加藤はデビュー戦に向かう心境をそう振り返った。プレーシーズンから試合をこなす過程では、自身のハードディフェンスがファウルと判定されることが多く、ファウルの判定を受けずに自身のストロングポイントを発揮する“落としどころ”を調整することに苦労してきたという。

加藤本人は「まだ慣れたわけではないけど」と前置きした上で、「とにかく常に考えて、ボールの出どころを予測してなるべくインターセプト、もしくはクリーンにボールを奪うことが僕個人の課題」と自身の課題を見据えている。

「でも自分のストロングポイントを消すつもりはないし、必要なときはもちろんハードに行く必要がある。そこの使い分けをうまくしていきたい。開幕戦では良い部分も悪い部分も出たけど、そこまで悲観するような出来ではなかったと思う。今後の目標はとにかく目の前の試合に勝つこと。そのためにはまず自分のプレーをすることが必要」

デビュー戦でのMOM受賞という勲章におごることなく、チーム内での確かな存在価値確立と自身のステップアップのために、加藤は新天地・ポーランドで今日も明日も戦い続ける。

Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

【プロフィール】
加藤 恒平(かとう・こうへい)
1989年6月14日生まれ、和歌山県新宮市出身。173cm/70kg。新宮サッカースポーツ少年団→ジェフユナイテッド市原・千葉ジュニアユース舞浜→ジェフユナイテッド市原・千葉U-18→立命館大学→FC町田ゼルビアを経て、2013年8月にモンテネグロ1部リーグのFKルダル・プリェブリャに加入。2年目にはモンテネグロリーグ優勝を置き土産に、ポーランド1部リーグのTSポドベスキジェ・ビェルスコ=ビャワへ移籍した。J2通算29試合出場(2015年7月20日現在)。

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